新たな時代の幕開け、STマイクロエレクトロニクスの250W電源設計
STマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM)は、新しい「EVL250WMG1L」リファレンス設計を発表しました。この設計は、システム・イン・パッケージ(SiP)の「MasterGaN1L」を中心にした共振型コンバータを基にしており、業界のニーズに応える高効率で小型化された産業用電源を実現しています。
GaN技術が変える電源設計
このリファレンス設計が注目される理由の一つは、GaN(窒化ガリウム)技術を利用している点です。GaNを用いることで、電源の設計期間が大幅に短縮され、一方で性能と信頼性を向上させることが可能になっています。STのMasterGaNシリーズには、GaNパワー・トランジスタと、高速スイッチングに特化したゲート・ドライバが内蔵されています。これにより、従来のディスクリート部品を使用した場合に比べ、大幅に小型化と効率化が図られています。
素晴らしい性能と小型化
新しいリファレンス設計は特に、スペースに制約があり、効率が重視される産業機器に最適です。650V 150mΩのGaN FETを2つ搭載し、STの共振型コントローラ「L6599A」と組み合わせた電源は、94%を超えるピーク効率を達成します。この設計は一次側のヒートシンクを必要とせず、コンパクトな設置が可能です。また、STの同期整流コントローラ「SRK2001A」を使用することで、全体の設置面積を80 x 50mmに抑えながら、1立方インチあたり34Wという驚異的な電力密度も実現しています。
大幅な省電力化と安全機能
出力電流は最大10A(24Vdcで250W相当)で、スタンバイ時の消費電流は1µA未満です。この省電力化は、特に環境意識の高い現代において重要なポイントです。また、L6599AとSRK2001Aには過電流、短絡、過電圧に対する保護機能が組み込まれており、入力電圧モニタリングにより適切な起動とアンダーボルテージロックアウトが提供されます。
即時評価可能
現在、このEVL250WMG1Lは組み立て済みで販売されており、即座に評価を開始することが可能です。価格は約250.00ドルで、関心のある方はSTのウェブサイトで更なる情報を確認することができます。
STマイクロエレクトロニクスとは
STマイクロエレクトロニクスは、50,000名以上の従業員を抱え、先進的な製造施設と包括的なサプライ・チェーンを持つグローバルな半導体製造企業です。20万社を超えるクライアントと何千ものパートナー企業と共に、持続可能な社会の実現に向けた半導体ソリューションを提供することに取り組んでいます。STは、2027年までにカーボン・ニュートラルを目指しており、未来のエネルギー効率化に貢献するテクノロジーを開発し続けています。