Gakkenの幼児向けワークブック、北米で販売数100万部突破の快挙
株式会社学研ホールディングスのグループ会社であるGakkenが、アメリカの大手取次と提携し、2017年から販売を開始した幼児向けワークブック『Play Smart』は、2025年7月15日に北米での累計販売数が100万部を超えたと報告しました。この成功の背後には、日本の教育メソッドが加わった独自のアプローチがあり、子供たちの「学ぶ喜び」を育む取り組みが評価されています。
「やる気を育む」日本の教育メソッドの特徴
『Play Smart』は、40年以上の歴史を持つ『学研の幼児ワーク』の英語に翻訳された版であり、日本で培った以下の3つの特長を活かしています。
1. 開発年齢に応じた最適な内容設計
2. 学習意欲を持続させる工夫
3. 自ら考える力を伸ばす学習アプローチ
このように、2歳から6歳までの各年齢に応じた段階的な内容が提供されるため、子供たちはストレスを感じることなく、自発的に学ぶことができます。また、身近な環境を描いたイラストを用いることで、課題内容が視覚的に理解しやすくなり、保護者に頼ることなく主体的に学べる習慣が身に付きます。
日本の熊本大学との共同調査でも、こうした教育メソッドによる子供たちの学習意欲の持続性が立証されています。
子供たちの熱烈な支持を受ける『Play Smart』
実際に『Play Smart』は、現地の読者から高い支持を受けています。「子供が夢中になっている」「シールや塗り絵、運筆練習が楽しくて飽きない」「もっとやりたいと言うようになった」といった評価が相次いでいるのです。このようなフィードバックは、教育的な効果だけでなく、楽しさを重視した内容になっていることを示しています。
コロナ禍の影響と新商品『Play Smart Wipe-Clean Workbook』
2020年から続くコロナ禍では、外出制限の影響から家庭でのワークブック需要が急増しました。これに対応する形でGakkenは、日本版の翻訳商品にとどまらず、現地のニーズに合ったオリジナル教材の開発にも着手し始めます。その中でも特に注目すべきが『Play Smart Wipe-Clean Workbook』です。このワークブックは、水性ペンで書いて消すことができるため、繰り返しアルファベットや数を練習できる設計になっています。
2022年の発売以来、背後には10万部を超える販売実績があり、特にAmazonのChildren's Alphabet Books(子ども向けアルファベットブック)では常に上位に位置しています。2025年のAmazonプライムデーでは、4日間で約4,000部が売れる驚異的な結果を示しました。
今後の展望と新たな挑戦
2023年10月には「グローバル編集チーム」が発足し、英語版やその他の教材のジャンルを広げる計画が進行中です。特に、幼児向けワークブックで得た知見を生かしつつ、2025年には小学生向けワークブック、さらに2026年には乳幼児向けの絵本を展開する予定です。このように、Gakkenは日本市場での成功を基に北米市場での存在感を高め、「未来を築く、学びを創る」という理念のもと、より多くの子供たちに向けた教材を提供していく計画です。
この成功事例は、グローバルな教育市場における日本の知恵と工夫が、いかにして北米を含む世界中の子供たちに影響を与えるのかを示す好例と言えるでしょう。