角幡唯介の新作
2025-04-01 13:05:35

角幡唯介の新作『地図なき山』、探検の魅力を描くノンフィクション

角幡唯介の新たな挑戦



2024年11月20日、株式会社新潮社から探検家・作家の角幡唯介による新作『地図なき山――日高山脈49日漂泊行』が発売される。これは彼が初めて挑む国内冒険登山ノンフィクションであり、極夜の北極を歩いた『極夜行』と対を成す重要な作品となっています。これまでの「脱システム」を哲学に持ち続けてきた彼が、地図なしで日高山脈への冒険に挑んだ経緯とその魅力を余すところなく描いています。

発売直後からの反響



本書は発売されるや否や、北海道や登山愛好家から大きな注目を集め、リリースから僅か2週間で重版が決定しています。朝日新聞や日経新聞、そして時事通信など複数のメディアで書評が掲載され、雑誌やラジオでも紹介されるなど、反響が広がりつつあります。このたび、さらなる重版も決定し、その人気はますます高まっています。

書評とその内容



月刊誌「波」2024年12月号には、芥川賞作家の松永K三蔵による書評が掲載され、「“野放図”の山行、探検家の誠実」と題されています。松永氏は、自らの受賞作『バリ山行』で描いた「バリエーション登山」の視点から、著者の行動の難しさや冒険の魅力を論じています。

本書の特徴



◆ 現代の情報過多に対する疑問



現代社会では、スマートフォンを使って情報を得ることが日常になっていますが、それで本当に満たされているのか? 著者は情報と消費に覆われたこの世界に疑問を持ち、地図を持たずに大地と向き合う選択をしました。

◆ 精神的な重圧とその克服



日高山脈での冒険の最中、著者は先の見えない恐怖に直面しました。特に、70メートルの高低差を持つ大滝の前では、その恐怖が著者を一瞬にして引き返させるほどの重圧を与えました。この経験は、彼の心に深く根付くことになり、その後の挑戦の糧となっていきます。

◆ 混沌からの新たな発見



日高山脈での初めての試みに挫折しそうになった著者は、3年後に再び挑戦します。その時に見えた山の景色は、彼にとってまったく異なるもので、探検家としての価値観も大きく変わるきっかけとなりました。

目次



本書は以下の章で構成されています。

  • - はじめに――よりよく生きるために私は地図を捨てた
  • - 第一章 旅立ちの記<二〇一七年夏の記録その一>
  • - 第二章 漂泊論~地図なし登山への道
  • - 第三章 裸の山に震え慄く<二〇一七年夏の記録その二>
  • - 第四章 新しい道を見つける<二〇二〇年夏>
  • - 第五章 巨大な山に登る<二〇二一年夏>
  • - 第六章 ラストピークをめざす<二〇二二年夏>
  • - あとがき

著者のコメント



「前代未聞の登山記です。誰にも想像できない世界がここに描かれています。情報がありすぎて息苦しいほどの世の中ですが、地図をもたずに山に登れば、そこは情報の遮断された世界に変わります。完璧に情報が失われると人はどのようにうろたえ、苦しみ、そして解放されるのかをぜひ体感してほしいと思います。」

著者紹介



角幡唯介は1976年に北海道生まれの探検家・作家です。これまでにチベットや北極の探検で知られ、近年はグリーンランドやカナダのエルズミア島で犬橇を使った旅を実践しています。様々な研究と冒険を通じて、多くの賞を受賞し、現在も独自の作品を世に送り出しています。


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会社情報

会社名
株式会社新潮社
住所
東京都新宿区矢来町71
電話番号
03-3266-5220

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