CIFALジャパンの新たな拠点がいわき市に誕生
2025年5月31日、いわき市の東日本国際大学で国連ユニタール「CIFALジャパン国際研修センター」の第1回国際シンポジウムが開催されました。この会議は、地域リーダーシップと持続可能な開発の重要性を強調する場として、約300人の参加者がここに集いました。
CIFALジャパンは、国連ユニタールが提供する人材育成のプログラムを国内で展開し、地域から国際社会への架け橋となることを目指しています。市民社会の中で誰一人取り残されることなく、持続可能な暮らしを実現するためのリーダーを育成する拠点として、いわき市と学校法人昌平黌の共同により設立されました。
シンポジウムの目的と内容
メインテーマは「人づくりを通じた地域社会と国際社会の連繋」であり、地域の課題解決の知見を国際社会に発信していくことが焦点となりました。このイベントでは、国連ニタールの前評議会議長であるルイス・ガジェゴ名誉議長が基調講演を行い、彼の豊富な経験をもとに、「変革は『制度』ではなく『人』から始まる」と力説しました。彼の言葉は、CIFALジャパンが「知識を教える場所」ではなく「心を目覚めさせる場」であるべきだというメッセージが込められています。
パネルディスカッションの展開
基調講演の後には、パネルディスカッションが行われ、2つのセッションに分かれました。第1部では「地域における防災力の強化とサステイナブルビジネスの推進」が議題にされ、防災力を高める方法やESGへの取り組みについて、多くの専門家が見解を述べました。
第2部では、「持続可能な暮らしの享受とこれからの人づくり」がテーマとなり、多様性と包摂性の向上に向けた討議が交わされました。参加者たちは、地域共生社会の実現に向けた人づくりの重要性を強調し、調和とハーモニーを大切にする社会の形成について提言しました。
いわき市とCIFALジャパンの未来
内田広之いわき市長は開会の挨拶で、CIFALジャパンの存在意義と今後の展望を語り、地域からの発信がどのように国際社会に影響を与えるかについて述べました。共同代表の緑川浩司理事長は、閉会あいさつで参加者への感謝の気持ちを伝えつつ、今後の活動に期待を寄せました。
このシンポジウムを通じて、CIFALジャパンは地域社会の課題に取り組みながら、国際レベルでの議論にも貢献していくことを誓いました。これを機に、いわき市はますます国際的な舞台での役割を果たす期待が高まっています。