令和8年度総務省予算案の閣議決定とその意義

令和7年12月26日、総務省は令和8年度の予算案を閣議決定しました。この予算案は、国民の生活向上を目指したものであり、地域社会の活性化や地方財政の健全化に資する施策が盛り込まれています。

1. 予算案の概要

今年度の総務省予算案では、一般歳出が3,923億円を含む合計21兆2,701億円が計上されています。これにより、地域社会の活力向上、持続可能な地方行財政基盤の確立、信頼できる情報通信環境の整備、そして経済安全保障の確保に向けた施策が推進されます。

具体的には、防災や国土強靭化に関する施策が重視されており、生活の「安全・安心」を実現するために必要な財源が確保されています。さらに、地方財政対策として、67.5兆円の一般財源が交付団体ベースで計上され、前年度比3.7兆円の増加が見込まれています。地方交付税総額も20.2兆円と、前年度を1.2兆円上回る予算が設定されました。

2. 物価高への対応

さらに、物価高に対応するため、官公需の価格転嫁を推進する観点から、委託料、維持補修費、投資的経費などが6,000億円となる見込みです。これは、地域における適切なサービス提供を支えるための重要な取り組みと言えます。

3. 地方財政の健全化に向けた取り組み

地方財政の健全化に向け、臨時財政対策債の発行額をゼロとしつつ、0.8兆円の償還基金を設置することが決定されています。また、交付税特別会計借入金の残高も2.9兆円縮減する方針です。これにより、持続可能な地方行財政が確立されることが期待されます。

4. 地域の声を反映した施策

林総務大臣は、この予算案を通じて、国会での審議を経て、速やかに施策を実行し国民に安心と希望を提供することが最重要であると強調しました。特に、地域のニーズを反映した施策を進めることで、「暮らしの中に総務省」の理念を実現することを目指しています。

5. 労働力調査の結果

さらに、労働力調査の結果も発表されました。令和8年11月の完全失業率は季節調整値で2.6%と、前月に比べ変化はありませんでした。この結果は、地域の経済活動と労働市場の安定性を示す重要な指標です。

6. 議員総選挙に関する資金問題

林大臣は、昨年の衆議院議員総選挙における労務費の支出に関する懸念についても言及しました。第三者機関の立会いのもとで269名分の領収書について確認し、そのうち256名分は適正支出であったと認められました。しかし、13名分については、実態に合致しない領収書が発見され、経理処理の適正性が問われています。これに関しても適切な対応が取られるとのことです。