グローバル人材像を探る
2015-10-30 14:30:01

グローバル人材育成の要諦:コミュニケーション能力と異文化理解、そして緒方貞子氏から学ぶ未来像

グローバル人材育成の要諦:コミュニケーション能力と異文化理解、そして緒方貞子氏から学ぶ未来像



グローバル化が加速する現代社会において、英語教育やグローバル人材育成への関心はかつてないほど高まっています。教育現場では様々な取り組みが行われていますが、その本質的な目的や、時代に即した人材育成の方向性については、改めて問う必要があるでしょう。

オックスフォード大学出版局が2015年に行った調査「グローバル人材育成に関する意識調査」は、この問いに答える重要な手がかりを与えてくれます。319名の教育関係者や学習者から得られた回答を分析することで、グローバル人材像とその育成方法が見えてきます。

グローバル人材に必要な資質:コミュニケーション能力が鍵



調査によると、グローバル人材に最も求められる資質は「コミュニケーション能力」でした。「異文化理解力」もそれに次いで多く挙げられ、過半数の回答者がこれらの能力を重視しています。これは、グローバル社会において円滑な人間関係を築き、協力して課題解決を図るためには、言葉や文化を超えたコミュニケーション能力が不可欠であることを示唆しています。さらに、「外国語運用能力」も重要な要素として認識されています。

効果的な育成方法:異文化交流と国際経験



グローバル人材育成に有効な手段として、「異文化コミュニケーション」や「異文化コラボレーション」が最も多く挙げられました。異なる文化背景を持つ人々と積極的に交流し、協働する経験は、異文化理解を深め、コミュニケーション能力を高める上で非常に有効です。また、「海外滞在・海外留学」も重要な手段と認識されています。これらの経験は、異文化コミュニケーション能力の向上だけでなく、グローバルな視点や多様な価値観への理解を促進します。

一方、「教養を身に付ける」「海外の動向に目を向ける」といった内面的な成長を重視する意見も見られました。グローバルな視野を養うためには、幅広い知識と知的好奇心、そして継続的な学習意欲が不可欠です。

グローバル人材の意義と重要性



グローバル人材になることの意義については、世界がグローバル化しているという現実を踏まえ、グローバルな視点と多様性への理解が現代社会を生き抜く上で不可欠であるという意見が最も多かったです。また、「世界平和」や「国際的な問題の解決」への貢献といった、より大きな社会貢献への意欲も示されています。さらに、「視野が広がる」「自己実現をもたらす」といった自己研鑽の側面も挙げられており、グローバル人材育成は個人の成長にも大きく貢献すると言えるでしょう。

グローバル人材のイメージ:緒方貞子氏とネルソン・マンデラ氏



「グローバル人材」としてイメージされる人物として、日本語を母国語とする回答者からは、緒方貞子氏(元国連難民高等弁務官)が最も多く挙げられました。一方、日本語以外の母国語を持つ回答者からは、ネルソン・マンデラ氏やマハトマ・ガンジー氏が多く挙げられました。これらの結果から、グローバル人材像は文化背景によって異なる部分もあるものの、国際的な課題解決に貢献し、多様な文化への理解を示す人物像が共有されていることが分かります。

結論:多角的なアプローチによる人材育成



本調査から、グローバル人材育成には、コミュニケーション能力、異文化理解力、外国語運用能力の向上に加え、幅広い教養、国際経験、そして多様な価値観への理解が不可欠であることが示唆されました。これらの能力を育成するためには、異文化交流、海外留学などの機会提供、そして継続的な学習環境の整備が重要です。緒方貞子氏やネルソン・マンデラ氏のような理想像を参考に、多角的なアプローチで人材育成を進めることが求められます。

オックスフォード・デイ2015



オックスフォード大学出版局は、本調査結果を踏まえ、グローバリゼーションと教育を巡るコンベンションフォーラム「Oxford Day 2015」を2015年11月29日に京都大学で開催します。詳細については、オックスフォード大学出版局のウェブサイトをご確認ください。

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