1on1プログラムの導入背景
2023年4月、パナソニック コネクト株式会社は、全社員約12,000人を対象に新たな人事制度「ジョブ型人材マネジメント」を導入しました。この動きは、キャリア自律を促すための重要な施策として位置づけられ、その一環としてエール株式会社が提供する1on1プログラム「YeLL」を採用しました。このプログラムは、社外の専門家によるサポートを受けられるため、社員の行動変容を促す強力なツールとなることが期待されました。
アンケート結果と行動変容
プログラム終了後に行われたアンケート調査では、参加者の行動に変化が見られました。「興味はあるが行動に至っていない」と回答した社員の割合が55%から26%に減少し、「実際に行動している」との回答が28%から53%へと大幅に増加したのです。この結果は、1on1プログラムが実際に社員の意識や行動に前向きな影響を与えた証と言えるでしょう。
事業会社制移行と人事制度の改革
パナソニックグループの事業会社制への移行にあたり、既存の終身雇用制度を見直し、より市場価値に基づく評価体系へと進化させる必要がありました。個々のキャリアを常に意識し、自発的に行動できる環境の構築が求められています。中島さんはこの新しい人事制度の重要性を強調し、「社外との接点を増やすことで、より多面的な視点から自身のキャリアを考えるきっかけを提供したい」と述べています。
実施内容と効果の実感
プログラムは、まず指定された80名の社員から始まり、それ以降も多くの社員が参加しました。セッションを経た結果、「明らかな成果があった」との報告があったことから、参加者の自信や成長を促す環境を提供できたことがわかります。特に、社外との接点が少なく、キャリアについて考える機会が限られた部門でも効果が現れたと報告されています。このようなデータは、1on1プログラムが各社員に新たな視点を提供することができ、実際に行動に移せるきっかけとなったことを示しています。
社員全員の「行動変容」を目指して
人事総務本部の三上さんは、プログラムを通じて自身の強みや目指すキャリアの方向性に気づいたと語ります。このように、個々の成長は組織全体の発展に寄与することが期待されています。現在も、パナソニック コネクトでは3回目のプログラムに向けた準備を進めており、「社員全員の行動変容を実現することが最終的な目標です。簡単な道のりではありませんが、努力を続けていく所存です」と中島さんは力強く語っています。
次のステップ
今後、エール社では、パナソニック コネクトの経営陣を招いたセミナーが開催されます。このセミナーでは、同社の取り組みや実践の背景が紹介され、より多くの人事責任者に向けた情報発信が期待されています。参加者には新たな視点や実践的な知識が提供されることでしょう。
「私たちは、キャリア自律を促進し、社員一人ひとりが主体的に成長できる場を提供していきます。これが新しい会社と社員の関係を築く一歩となると信じています」と中島さんは締めくくりました。
まとめ
パナソニック コネクトが導入したエールの1on1プログラムは、社員の行動変容を促すための重要な施策として成功を収めており、今後も社員のキャリア自律を支えていくことで、より良い労働環境を築くことが期待されています。