タイにリヨセル工場
2022-03-04 10:11:11
レンチング社、タイに世界最大のリヨセル工場を開設!持続可能性の新たな一歩
レンチング社、タイに世界最大のリヨセル工場を開設
2022年3月4日、オーストリアに本社を置くレンチング・グループが、タイのプラーチーンブリーにおいて世界最大のリヨセル工場を開設したことを発表しました。この新工場は、年間10万トンの生産能力を有しており、リヨセル繊維のブランドであるTENCEL™(テンセル™)の需要拡大に対応することが期待されています。レンチング社は、このプロジェクトにより特殊繊維市場での地位をさらに強化し、カーボンフリーの達成に向けた重要な一歩を踏み出しました。
新工場は、バンコクから北東へ約150kmに位置する工業団地に建設されました。プロジェクトは2019年に始まり、新型コロナウイルスの影響を受けつつも、予定通りに進行しました。投資額は約4億ユーロを超え、従業員の新規採用や研修も完了しています。
レンチング・グループのCEO、Cord Prinzhorn氏は「このプロジェクトを達成できたことを非常に誇りに思っています。タイのスタッフと多くの関係者のサポートに感謝します」と述べ、パンデミックの中でもプロジェクトを無事に進められたことの意義を強調しました。
この新工場の立ち上げにより、レンチングは持続可能なイノベーションに対する需要の高まりに応え、この分野での成長の重要なマイルストーンを迎えます。特にアジア市場では、環境に配慮した製品の需要が急速に拡大しています。
リヨセル生産の重要性
環境問題、特に海洋汚染は、現代社会が直面する重要な課題です。ファストファッションのモデルや化石資源の消費が進む中、ファッション業界が環境に与える影響は無視できません。そのような中で、リヨセルの生産工程は木材を原料とした、環境に優しい先進的な生産方法として注目されています。
リヨセルの製造プロセスは、クローズドループ・システムを採用しており、化学物質を一切使用せずに繊維を生産します。この技術は30年にわたり産業規模で適用されており、環境への影響を最小限に抑えることができます。
レンチング社は今後もリヨセル繊維の生産能力を拡大する計画を進めています。2024年までに、環境に配慮した特殊繊維からの収益を総繊維収益の75%に増やすことを目指しています。
カーボンフリーの未来へ
レンチング社は、2030年までに温室効果ガスの排出量を50%削減することを目指し、2050年には気候中立の達成を目指しています。タイの新工場では持続可能なバイオマスエネルギーを使用できるインフラが整備されており、気候保護に寄与する役割が期待されています。
また、ブラジルを含む他の地域への大規模な投資を行い、レンチングは史上最大の投資プログラムを実施中です。2022年の収益に大きく貢献すると見込まれています。
会社背景
レンチング・グループは環境に優しい再生可能な原料を使用した特殊繊維の生産に特化しており、世界中のテキスタイルメーカーと緊密に連携しています。高品質で生分解性を持つ繊維は、エレガントな婦人服からスポーツ衣料まで幅広い用途で利用されています。
レンチングのビジネスモデルは、従来の枠を超え、顧客やパートナーと共に新しい価値を創出しています。地球温暖化対策や循環型経済の実現を目指すレンチング社のビジョンは、持続可能な未来を築くための大きな一歩です。
2020年のレンチング・グループの売上高は16.3億ユーロ、従業員数は7,358名に達しています。大きな将来性を秘めた同社に今後も注目が集まります。
会社情報
- 会社名
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レンチングAG
- 住所
- Werkstrasse 2 Lenzing, 4860 Austria
- 電話番号
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