神奈川県小田原市にて、令和6年度の小田原城天守閣特別展「お城に動物園があったー小田原動物園の26,738日」が開催されます。この特別展は、小田原動物園の歴史や思い出を振り返る大変興味深い企画です。
小田原動物園は、昭和25年に小田原市制10周年を記念して開設されました。当初は「小田原こども文化博覧会」の一環としての位置づけでしたが、今では多くの市民や観光客に親しまれる場所となりました。特に、インドゾウのウメ子はその愛らしさから多くの人々の心を惹きつけ、平成初期には約70種、330点の動物が展示されていました。これにより訪れる人々に笑顔を与え、動物たちの存在が地域文化にどれほど大切な役割を果たしていたかがうかがえます。
しかし、小田原城跡の整備が進み、国指定の史跡となったことから、動物園は徐々に縮小されました。平成17年からは、動物たちが全国の動物園に引き取られていきにあたる厳しい運命に直面しました。最後のニホンザルは令和5年12月に茨城県の「東筑波ユートピア」に移動し、これをもって小田原動物園はその長い歴史の幕を閉じました。
特別展は、9月7日から11月4日まで小田原城天守閣の4階企画展示室で行われます。開館時間は午前9時から午後5時までで、土日祝日は午後6時まで開館する特別な日も設定されています。入館料は大人510円、小・中学生は200円と、気軽に足を運びやすい価格設定です。
また、この特別展には関連イベントも用意されています。学芸員や飼育員が行う展示解説は、特別展をより深く理解するための良い機会です。10月23日には午後4時から行われ、先着10名の定員がありますが、参加費は不要です(入館料が必要)。
さらに、特別展の関連として「ゾウがいた城」という出張展示も行われました(終了)。このように、歴史に名を刻んだ小田原動物園の物語が、今再び多くの人々に語り継がれる機会となるでしょう。かつての動物園の思い出を振り返り、地域の文化や歴史の深さを感じるために、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。
企画展に関する問い合わせは、小田原城総合管理事務所(0465-23-1373)までどうぞ。