微生物を用いた革新的なコンクリート開発
安藤ハザマは、静岡理工科大学、愛媛大学、港湾空港技術研究所との連携を通じて、微生物を高度に活用したバイオスマートコンクリートの開発に取り組んでいます。この新しいコンクリートは、強アルカリ環境下でも生き延びる微生物を活用し、インフラの安全性と持続可能性を高めることを目指しています。
共同開発の目的
インフラシステムの長寿命化が求められる現代において、コンクリート構造物のメンテナンスは欠かせない課題です。鉄筋の腐食を抑えることが、長期的な耐久性を維持するための重要な要素とされています。今回の共同開発では、微生物を使ってコンクリート内の酸素を消費し、さらにひび割れを自己治癒させることで、鉄筋の腐食を防ぐ「BiSCo」と呼ばれる革新的なバイオスマートコンクリートの実現を目指しています。
強アルカリ耐性菌「AH株」の発見
最近、安藤ハザマが獲得した強アルカリ耐性菌「AH株」は、pH11~12の強アルカリ環境でも代謝活動と増殖が可能です。これは、従来の好気性微生物が高pH環境下で死滅してしまう中で、特異な性質を持つ細菌の発見であり、コンクリートの使用が見込まれる環境での応用が期待されます。
漏水実験の成果
コンクリートを練り混ぜる際にAH株と栄養素を加えて製作した供試体を用い、漏水に関する実験も行われました。この結果、ひび割れ部分が自己治癒し、漏水が止まったことが確認されました。これは、今後の実用化に向けて非常に希望の持てる結果です。
将来的な展望
今後は、鉄筋腐食抑制の実証実験およびひび割れの自己治癒効果に関する詳細な研究を進め、実用化に向けたいくつかのステップを経て、最終的な商品化を目指します。この技術が確立されれば、持続可能なインフラ建設に大きな影響を与えることでしょう。
このように、安藤ハザマが主導するバイオスマートコンクリートの開発は、未来の建設業界における重要な一歩となるでしょう。高性能で環境に優しいコンクリートの実現が近づいています。