新たな膵癌検査「エンゼバー®すい臓がん」の提供開始

コウソミル株式会社、膵癌検査の新たな展開に挑む

コウソミル株式会社が新たに提供する「エンゼバー®すい臓がん」検査は、膵癌の早期発見を目指すための画期的な血液検査です。2025年7月1日から実施が決定されており、医療機関を通して受けることができます。今回の検査は、膵癌の特異性に特化した検査技術を使用しており、早期診断による予後改善の可能性を秘めています。

膵癌の早期発見がもたらす希望

膵癌は進行するまで症状が表れにくく、診断時には多くが進行癌であるため生存率が非常に低い癌の一つです。日本の膵癌患者の5年生存率はわずか8.5%とも言われており、そのため早期発見を実現する手段が求められています。コウソミル株式会社は、医学の専門家たちと協力し、血液中の酵素活性を解析する技術を応用してこの検査を開発しました。

画期的な技術「1分子計測リキッドバイオプシー」

本検査は東京大学と理化学研究所の共同研究により開発された「1分子計測リキッドバイオプシー」という技術を基にしています。この技術は、血液中の酵素活性を1分子レベルで超高感度に解析することが可能です。これにより、膵癌に特異的な状態をより明確に捉えることができ、診断の精度が向上します。

臨床研究結果とその期待

「エンゼバー®すい臓がん」検査に関する前向き臨床研究では、膵癌に対して感度75.0%、特異度95.5%という高い精度を実現しており、すでに従来の腫瘍マーカーと比較しても非常に優れた性能を示しています。特に初期の膵癌に対しても感度71.9%という結果が出ているため、その早期発見に期待が寄せられています。

今後の展望

コウソミル株式会社は、国内外での薬事承認を目指し、引き続き「エンゼバー®すい臓がん」検査の開発を進めます。また、膵癌以外の癌種に対する製品開発も視野に入れ、米国市場への展開を準備しています。

このように、「エンゼバー®すい臓がん」は膵癌の診断の新たなスタンダードとなるべく、医学界で大きな関心を集めています。関係者たちもその実現に向けて熱心に取り組んでいることから、今後の進展が期待されます。

コウソミル株式会社の取り組み

コウソミルは、医学と技術の最前線である東京大学と理化学研究所からの知見をもとに、疾患診断技術の開発を進めています。2022年に設立された同社は、今後も革新を目指し、更なる研究開発に力を入れていくことでしょう。

本検査は将来的には一般のキットとして販売予定であり、多くの患者に恩恵をもたらすことが期待されています。膵癌の新たな診断方法が実用化されることで、より多くの命が救われる日が来ることを願っています。