近年、ウォーターサーバーの普及とともに、その衛生面での不安が消費者の間で増しています。株式会社ナックが実施した意識調査によると、利用者の約7割が、サーバー内部の衛生状態に対して懸念を抱いていることが明らかになりました。この調査には、全国のウォーターサーバー利用者1,100人が参加し、衛生管理に関するさまざまな意見や経験が寄せられました。
まず、消費者の約66%が水道水に対して抵抗を感じているという結果が出ました。これは、近年のPFAS(永遠の化学物質)に対する報道や水道水からの放射性物質検出など、安全性に対する疑念が背景にあるものと思われます。これに伴い、ウォーターサーバーの利用が増えたとはいえ、その内部衛生に対する不安が根強いことが分かります。
さらに、利用者の8割が、自身でサーバーをお手入れした経験があると回答しました。しかしその多くは、外部の掃除限られており、内部タンクや配管の掃除は難しいのが実情です。この内部は目に見えない部分であり、汚れが蓄積しやすく、結果的に衛生状態が悪化してしまう可能性があります。実際に、1年以上メンテナンスを怠ったサーバーでは、水中の細菌が基準値を10倍以上超過しているとの調査結果もあります。
そのため、ほとんどの利用者は、定期的な内部メンテナンスの必要性を感じていることが分かります。定期的にメーカー側で行われるメンテナンスや交換に対し、9割以上の利用者が安心感を求めています。これは、消費者の健康や安全を守るためには、製品のメンテナンスを強化する必要があることを示しています。
また、最近の調査で、約6割の利用者がサーバー本体の交換を行った経験があり、その理由のほとんどが衛生面の不安に起因しています。このように、多くの消費者が衛生問題を重視しているため、ウォーターサーバー業界はメンテナンスの重要性を再認識するべきです。
株式会社ナックが展開する「クリクラ」では、2002年から継続して衛生管理に取り組んでいます。特にヨーロッパでは飯産業でメンテナンスの義務化が進められており、クリクラもこの基準を取り入れています。このような取り組みがあることで、消費者に安心して水を利用してもらえる環境を整えているといえるでしょう。
まとめると、ウォーターサーバーは便利な一方で、内部の衛生管理が不十分であれば、使用者にとってリスクも増大することが分かりました。そこで、今後は各メーカーが水の安全をもっと積極的に管理し、利用者に安心を提供することが求められるでしょう。定期的なメンテナンスの重要性を理解し、ぜひ実践していただきたいものです。