新しいGaNドライバがもたらす革新
STマイクロエレクトロニクスは、モーション制御と電力変換を対象とした新型のGaN(窒化ガリウム)ドライバを発表しました。この製品は、サイズの小型化、高効率、優れた熱性能を兼ね備え、幅広いアプリケーションでの利用が期待されています。
STDRIVEG212とSTDRIVEG612の特徴
新たに登場した「STDRIVEG212」と「STDRIVEG612」は、最大220Vと600Vのハイサイド電圧で動作し、GaN HEMTに対して5Vのゲート駆動信号を正確に供給します。この2つのドライバは、ハイサイドおよびローサイドにおける5Vリニア・レギュレータ、ブートストラップ・ダイオード、低電圧ロックアウト(UVLO)といった保護機能をコンパクトなQFNパッケージに集約しているため、設計の手間を大幅に軽減します。
特に注目すべき点は、高速起動の電圧レギュレータが内蔵されていることで、ドライバの出力電圧を安定させ、精度の高いゲート制御を実現している点です。また、過電流の検出が行えるコンパレータがあり、不具合が発生した場合は両方のGaN HEMTをオフにすることができます。この機能を持つ「スマート・シャットダウン(smartSD)」は、冷却が完了するまでオフを維持し、フォルト・ピンから過電流、過熱、UVLOについてのレポート情報を得ることが可能です。
高速化を可能にする設計
これらの製品は、モーション制御に特化しており、ハード・スイッチングアプリケーションでGaN技術の利点を最大限に引き出します。ハイサイドとローサイドの間の伝播遅延時間はわずか50nsに調整されており、5μsハイサイド起動時間、さらには±200V/nsのdV/dt過渡電圧にも耐えられる設計です。この特性により、高速な回転数を実現できます。
ドライバの設計の柔軟性
内蔵のLDOは大電流の取り扱いが可能で、シンク側とソース側に独立したパスを提供しています。シンク側は最大1.8A / 1.2Ω、ソース側は0.8A / 4.0Ωをサポートします。このゲート・ドライバ出力アーキテクチャにより、回路設計者はターンオンとターンオフ時のインピーダンスを個別に設定でき、最適なdV/dtとdI/dtを実現します。これにより、ターンオフ・ダイオードを省略することが可能になり、部品数の削減やゲート・ループ・インダクタンスの低減が実現します。結果的に、ターンオフが高速化され、不要な誘導ターンオンを防ぎます。
利便性と評価ボードの提供
両製品は、20V耐性のロジック入力ピンと、消費電力を抑える専用シャットダウン・ピンも備えています。これにより、システムの設計と集積が簡単になります。さらに、両製品に対応した評価ボード「EVLSTDRIVEG212」も提供されており、新技術を実際に試す機会が増えています。
産業向けの信頼性
STDRIVEG212及びSTDRIVEG612は、産業用途を想定しており、温度範囲は-40°Cから+125°Cまでの動作が保証されています。現在、両製品は量産体制に移行しており、サイズは4 x 5mmのQFNパッケージで提供され、1000個購入時の単価は約1.25ドルに設定されています。これにより、商業利用にも適した製品となっています。
より詳しい情報は、STマイクロエレクトロニクスの公式ウェブサイトをご覧ください。