心血管疾患リスク予測
2025-11-18 00:03:25

日本人にも有効!心血管疾患リスク予測の革新「PREVENT」

日本人にも有効!心血管疾患リスク予測の革新「PREVENT」



心筋梗塞や脳卒中といった深刻な健康問題のリスクを予測することは、今や私たちの健康管理において欠かせない要素です。しかし、これまで使われていたリスク予測モデルは主に欧米人のデータを基にしていました。そのため、日本人を含むアジア人がそのモデルを使用すると、リスクが過大評価される傾向がありました。この問題を解決するため、米国で開発された新しいリスク予測式「PREVENT」(Predicting Risk of CVD EVENTs)が注目を浴びています。

新たに公開された研究成果



この「PREVENT」がアジア人集団、特に韓国人においても有効であることを示す大規模な研究が順天堂大学と京都大学の共同研究グループによって実施されました。約770万人のデータを分析した結果、「PREVENT」が心筋梗塞や脳卒中の発症リスクを高精度で予測できることが初めて確認されました。この成果は、アジア人の個別な健康管理を向上させ、さらにはCVDの予防医療に貢献する可能性を秘めています。

研究の詳細



研究では、韓国の国民健康データを用いて、過去に心血管疾患を持たない30歳から79歳までの成人約770万人を対象にしました。具体的に「PREVENT」を使って、彼らが今後10年以内に心筋梗塞や脳卒中を発症する確率を予測し、その結果が実際の病歴とどれだけ一致しているかを追跡調査しました。この手法は「答え合わせ」として非常に重要です。

結果の発見



この研究の最も注目すべき結果として、女性での予測精度が約0.87、男性で0.84という高い数値が示されました。これは、理想値である1.0に非常に近く、従来のモデルが抱えていたリスク過大評価の問題を大幅に改善しています。しかし、一方で心不全のリスクに関しては過大評価する傾向が見られ、これは国や地域によって診断基準が異なるためかもしれません。この点については今後の改善が求められます。

健康管理の新たな視点



また、興味深い事実として、10年後にリスクが低いとされた人の中にも、実際には60歳未満での発症例が見つかりました。この結果は、若い世代がより積極的に健康管理に取り組む必要性を示唆しています。

グローバルな医療への影響



この研究の成果により、「PREVENT」はアジア人に対しても心筋梗塞や脳卒中のリスクを正確に評価する手段として広まることが期待されます。これによって、国際的な臨床研究や健康調査で共通の基準が使用されることになり、グローバルな予防医療戦略の発展が加速するでしょう。

一方で、心不全のリスクに関する問題を解決するためには、アジア人向けに微調整が必要であることも認識されました。今後は、米国の研究機関との共同により、アジア特有のデータに基づくモデル改良が進められる予定です。

この研究は、The Journal of the American College of Cardiologyに2025年11月18日付で発表され、今後の医療課題に対する解決策として期待されています。健康診断の結果を基にした正確なリスク評価が、私たちの生活をより安全にすることに寄与することでしょう。


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学校法人 順天堂
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