InnoJin株式会社、総務省のICTスタートアップリーグに2年連続採択
東京都文京区に本社を置くInnoJin株式会社が、総務省主導の『令和7年度 ICTスタートアップリーグ』に再び採択された。この立ち位置を受けて、2025年に開催された一般財団法人UPDATE EARTH主催のシンポジウムにおいて、同社が採択されたプロジェクトの詳細と今後の展開についてプレゼンテーションを行った。
採択されたプロジェクトの特徴
InnoJin社が提案しているのは、VR(バーチャルリアリティ)を活用した小児弱視訓練用プログラム医療機器の開発である。弱視は、小児における視力発達の障害であり、日本国内では21万人以上の患者が存在し、社会的損失も推定で2.2兆円に達している。
現在、弱視の治療には主に矯正眼鏡やアイパッチを用いた「健眼遮閉」が利用されている。しかし、この方法には小児にとって心理的・物理的な負担が大きくあるため、治療の続行が難しい場合も多い。特に、視覚の発達が著しい「感受性期」を逃すと、十分な効果が得られなくなる恐れがある。InnoJin株式会社はこれらの課題に対処するため、VR技術を用いた治療法を開発し、楽しみながら自然に訓練できる環境を整えることを目指している。
具体的な取り組み
この支援プログラムの期間中、InnoJinは以下の施策に重点を置いて進める予定である。
1.
医療機器事業の確立
VRを用いた弱視訓練プログラムの事業化を進め、事業基盤の整備と計画の精緻化を図る。
2.
新規SaMDの創出
本製品を起点に、次世代のSaMD(ソフトウェアを医療機器として活用するもの)の開発に取り組む。
3.
デジタルセラピューティクス市場の開拓
日本国内で約183億円、海外では1820億円にのぼるとされる新たなDTx市場へ参入し、戦略的な製品展開を計画する。
4.
デジタルヘルススタートアップへの成長
専門人材の確保や資金調達、事業提携の強化を図り、グローバルな競争力を高めていく。
今後の展望
InnoJinでは、VR技術を活用した小児対象の特定臨床研究と医師主導治験を経て、クラスⅡのプログラム医療機器としての承認・上市を目指す。
従来の方法に比べて心理的・物理的負担が少ない治療法を実現し、「視力にハンディキャップを抱える子どもがいない未来」の実現に貢献するという目標を掲げている。
会社概要
- - 設立: 2020年12月1日
- - 所在地: 東京都文京区本郷2-5-2 本郷福々ビル201号
- - 電話番号: 03-6670-8993
- - 公式サイト: InnoJin株式会社
このように、InnoJin株式会社の取り組みは小児の弱視治療に革新をもたらすものであり、今後の展開にも一層の注目が集まっている。
参考リンク