中退者の声を反映した2024年度の就職支援アンケート結果
株式会社ジェイックが運営する「ジェイック 中退就職カレッジ®」は、2024年度に行った中退者に関するアンケートの結果を発表しました。この調査では、344名の受講生からの回答が集まり、中退理由や今後の見通しについて貴重なデータが得られました。
中退理由の現状
調査によれば、中退理由の最も多かった回答は「留年」で28.2%、次いで「授業内容に興味が持てなかった」が18.3%という結果が出ています。また、経済的事情や体調不良、友人関係といった要因も調査対象者の中退に影響を与えていることが分かりました。
元々学業に対する意欲が低い場合、授業内容が興味を引かないと、中退を考える人が増える傾向にあります。さらに、2年目から4年目にかけての中退者が約6割を占めており、この時期が特に中退を引き起こしやすいことが見て取れます。
今後の中退者数の増加要因
次に、今後の中退者に影響を与える要因について尋ねたところ、同率で「親の収入減などの経済情勢」と「高校/大学でのキャリア教育不足」が25.6%を占めました。この結果は、中退の背景にある経済的な不安や教育システムの問題が浮き彫りになっています。
特にキャリア教育が不足していると、将来の進路選択に対する自信が持てなくなり、結果的に中退のリスクが高まると指摘されています。また、多様なライフイベントの価値観が広がる現代において、進学希望を持たない若者も多いことが影響しています。
中退による困難
中退経験者が直面する最も大きな課題は「中退経歴での就職活動」で、28.5%がこの点を挙げました。自身の経歴が就職活動においてどのように影響するのか、あまりにも不安を抱えている若者が多いことも明らかになりました。また、「就職活動のやり方がわからない」と回答した人も26.3%存在し、支援を必要とする方が多い実情が伺えます。
専門家からの意見
株式会社ジェイックの執行役員、柳井田氏はこれについて次のように述べています。「高等学校におけるキャリア教育やカウンセリングの重要性が再認識されています。学生一人ひとりが自らの意思で進学先を決定できるようなサポートを強化するべきです。」
結論
2024年度の調査は、中退者や中退を考えている学生への支援策の重要性を示唆しています。教育機関や企業が連携し、より多様な進路選択案を提供することが急務です。中退経験を持つ若者が自信を持って未来を見据えられるような環境づくりが求められています。これからもこのような調査を基に、実効性のある支援を展開していく必要があります。また、就職支援サービスが求められる現今、その役割が益々重要になっています。中退者を支えるための施策が今後の就労環境にポジティブな影響をもたらすことが期待されます。