建築家・原広司の作品が宿泊施設として再生
2024年2月1日、豪雪地域に位置する高田で、建築家・原広司の名作「北川邸」が新たに宿泊施設としてオープンする。名付けて「浮遊のいえ」。このプロジェクトは、建物の背景にある独自の設計思想を感じることのできる特別な体験を提供することを目的としている。
北川邸とは何か?
旧北川邸は、原広司が義理の父、良寛研究者・北川省一とその家族のために設計した住宅で、1986年に完成した。高田の風土に調和したデザインが特徴で、冬の厳しい気候にも対応した住居形式である。
建築の意図は、「多雪地として知られる高田の住居で、風土に合わせた標準的な住居形式を提案する」ことにあり、伝統的な町家の要素を取り入れながらも、より明るい空間を創出している。すなわち、冬の日々に適した設計でありつつも、雪の光を反射させる柔らかい空間を特徴としている。基本的な構造は、伝統を尊重しつつも、現代的なアプローチで再解釈されている。
浮遊のいえの意義
「浮遊のいえ」は、文化的遺産である旧北川邸を経済的にサステナブルな形で次世代へと継承するための新たな試みだ。雁木町家の保存と活用を行う団体「雁木のまち再生」との連携により、地域に根ざした宿泊体験が実現される。宿泊者は、原広司の哲学に基づいた空間で、地域資源に触れながら、自然との一体感を味わうことができる。
浮遊のいえでの体験
「浮遊のいえ」では、宿泊客は地域の文化や風土を直接体感できる機会が提供される。原広司が追求した哲学に基づいたデザインは、宿泊者を引き込むこと間違いなし。
「浮遊のいえ」では、地域の資源に触れながら、時間の流れを忘れるようなリラクゼーション体験が可能だ。この空間は、ただの宿泊場所ではなく、訪れる人々が思索や創造を促す場でもある。
内覧会のご案内
オープンを記念して、2月5日に内部見学会を実施する。参加希望者は、事前にWebサイトから申し込みが必要。このイベントでは、プロジェクト関係者やメディアが集い、瞬間を共に楽しむ。
プロジェクトメンバー
このプロジェクトの中心人物である久野遼は、東京大学の建築学専攻を修了した28歳の若き建築家。上越市高田の地域活性化に向けた取り組みを開始し、より多くの人々を魅了する施設を目指す。
「この場所を通じて、より多くの方に上越市の良さを知っていただきたい」と語る久野は、建築の持つ力を信じ、地域に新たな風を吹き込む。
雁木のまち再生の取り組み
「浮遊のいえ」の背後には、多くの地域住民の思いが詰まっている。 雁木町家の保存に取り組む団体と連携し、地域に温もりをもたらすことを目指している。時代の波に飲まれた町の風景を再生し、人々が集う場としての役割を担う。
まとめ
高田の厳しい冬に対する知恵と、地域文化を融合させた宿泊施設「浮遊のいえ」。一度訪れてみる価値があるだろう。さあ、「北川邸」を再生したこの場所で、心のままに漂う時間を楽しんでみてはいかがだろうか。