自動配送ロボットの社会実装に向けた新たな取り組み
パーソルクロステクノロジー株式会社が、新たな社会実装に向けたプロジェクトを開始しました。イスペクト、自動配送ロボットを用いたラストマイル配送の実証実験を滋賀県甲賀市で実施することとなり、地域住民の生活をより便利で安心にする取り組みが始まります。このプロジェクトは、同社が掲げるビジョン、「はたらいて、笑おう。」のもと、人々の生活を支える新しいインフラの構築を目指しています。
背景:EC需要の拡大と労働力不足の深刻化
2024年4月から施行されるドライバーの労働時間規制により、物流業界は新たな課題に直面しています。一方で、EC市場の成長に伴う配送需要は高まり続けており、配送ドライバーの不足や高齢化が全国的な問題として浮かび上がっています。このような状況を受け、経済産業省は「自動走行ロボットを活用した配送の実現に向けた官民協議会」を発足し、持続可能な物流体制の構築に向けた議論を進めています。
パーソルクロステクノロジーの目指す方向性
パーソルクロステクノロジーは、さまざまな業界に対応できるエンジニアの技術課題解決力を持つことを強みとし、これまでも自動搬送ロボットや介護用ロボットの開発支援に取り組んできました。今プロジェクトでは、ただの物流効率向上ではなく、「24時間365日、人と人を繋ぐ新しい社会インフラ」の構築を目指しています。待っているだけで荷物が届く世界を実現し、日常生活の安心や快適さに寄与する仕組みを形成することが狙いです。
新たなインフラ構築に向けた提携
今回、パーソルクロステクノロジーは、滋賀県甲賀市、甲賀農業協同組合(JAこうか)、手原産業倉庫との間で基本合意書を締結しました。これにより、各組織が役割を分担し、地域に根付いた実証実験を進めることになります。
- - パーソルクロステクノロジー: 自動配送ロボットの選定・システム開発・運行管理などを担当。
- - JAこうか: 地元の食品などを提供し、地域の拠点として機能。
- - 手原産業倉庫: ロジスティクスの専門性を活かし、現地での支援やトラブル対応を実施。
- - 甲賀市: 地域住民との協力を基に、実証のためのフィールドを提供。市民サービスの向上にも貢献。
まず実施されるのは、JAこうかグループの法人向けに提供される弁当や食料品の配送です。将来的には個人宅への配送や農産物、日用品、酒類などの幅広い事業展開を計画しています。
実証実験の主な項目と取り組み
本実証実験では、2023年4月より公道走行が可能になった低速・小型ロボットを使用します。以下のポイントに基づき、具体的な検証が進められます。
1.
地域事業者との連携: エコシステム構築を目指し、現地支援体制の整備やネットワークの拡大を図る。
2.
安定した配達の実現: 定期配送を確立し、安定的な運用を目指します。
3.
配送ロボットの多様な活用: 単なる配送にとどまらず、地域の見守り機能や広告機能の分析も行う。
未来展望と社会的価値の創出
このプロジェクトは、物流人材不足という社会課題を解決するための新たな試みであり、パーソルクロステクノロジーは「技術を通じて人と地域を繋ぎ、誰もが豊かに暮らせるような未来を形にする」ことを目指しています。最終的には、待っているだけで荷物が届く未来、まるでベルトコンベアのように荷物を運べる世界を描いています。配送ロボットは、住民の日常を支える新たなインフラとして機能し、人々を別の形で結びつけることが期待されています。