キネコ国際映画祭での耳保護アイテム貸し出し
2024年10月31日から11月5日まで、東京・二子玉川エリアで開催される「第31回キネコ国際映画祭」において、大きな音が苦手な方々のために、イヤーマフの無料貸し出しサービスが提供される。この取り組みは、感覚過敏研究所を運営する株式会社クリスタルロードの協力によるもので、聴覚過敏の方々が安心して映画を楽しめる環境作りを目指している。
イヤーマフ貸出サービスの概要
- - 貸出期間: 11月1日(金)~11月4日(月)
- - 貸出場所: 109シネマズ二子玉川 シアター1前付近
- - 利用料: 無料
- - 対象: キネコ国際映画祭内プログラムの109シネマズ二子玉川シアター1 & シアター2プログラム作品のみ
子ども用と大人用のイヤーマフが用意され、数量に限りがあるため、利用希望者は早めの来場を推奨する。イヤーマフは外部の音を遮断することができ、特に聴覚過敏のある方々にとって、日常生活での大きな音からの重要なサポートとなる。日常の通勤や通学、ショッピング等の様々なシーンでも使用されている。
感覚過敏を持つ方々の映画鑑賞の現状
調査によると、感覚過敏を理由に外出をあきらめた経験のある方が81.9%にも達しており、映画館やライブ会場といった音が豊富な場所は避けられがちだ。多くの方が「聴覚過敏があるのに、楽しむ権利があるのか?」という疑問を抱いている現実がある。これに対して、イヤーマフなどの聴覚保護具を装着することで、映画鑑賞などのエンタメ体験を楽しめる環境を提供することを目指している。
エンタメを楽しむための新しい挑戦
感覚過敏研究所は、音や光といった環境刺激を理由に外出をあきらめない、五感にやさしい社会を築こうとしている。その一環として、映画館でのイヤーマフ貸し出しサービスを企画し、聴覚過敏の方々のために新たなエンターテイメントの形を提供している。この取り組みにより、イヤーマフが社会に受け入れられ、利用が一般化することを期待している。
キネコ国際映画祭と109シネマズ二子玉川がこの問題に理解を示し、実証実験を通じて、利用者が安心して映画を楽しむ機会を増やすことができるよう協力している。イベントを通じて、より多くの人々が映画の魅力を体験できることを願っている。
キネコ国際映画祭とは
キネコ国際映画祭は、毎年開催される日本最大規模の子ども国際映画祭であり、世界の三大映画祭の一つに数えられるベルリン国際映画祭の協力を受けて1992年に創設された。審査はティーンズ審査員を含む約20人の「キネコ審査員」によって行われ、子どもだけでなく大人も社会問題に気づくきっかけを作ることを目的としている。
開催概要:
- - 主催: 一般社団法人キネコ・フィルム
- - 会場: 東京・二子玉川
- - 公式サイト: キネコ国際映画祭
この映画祭ではたくさんの楽しい映画が上映されるだけでなく、多様な感情を体験できる作品も取り揃えている。また、各所でのワークショップやイベントも充実しており、親子で楽しむことができる環境を提供している。
感覚過敏研究所について
感覚過敏研究所は2020年に設立され、感覚過敏の啓発活動や商品、サービスの開発を通じて、感覚過敏の問題解決に取り組んでいる。このような取り組みを通じて、「今」をあきらめない社会を実現することを目指しており、今後も多様な活動を展開していく計画である。