コロナ禍の影響で変わる不登校の理由と今後の支援の在り方
はじめに
最近、株式会社プレマシードが実施した調査によって、コロナ禍が不登校の理由に与えた影響が明らかになりました。不登校の原因は以前は「いじめ」が多かったものの、現在では「ストレス」に起因するケースが増えていることが示されています。この変化は、子どもたちのメンタルヘルスに対する理解を深める必要があることを示唆しています。
調査の概要
調査は2025年4月に行われ、対象は小・中・高校生及び大学生以上の合計600名です。彼らが不登校になった理由や、相談相手として誰に助言を求めたか、また具体的な時期や状況も含まれています。調査結果には、学生たちのリアルな声が色濃く反映されています。
不登校の理由の変化
本調査で特に注目すべき点は、小・中・高校生の不登校経験者の55.0%が「ストレスによる体調やメンタルの不調」を挙げたことです。これは、子どもたちが抱えるストレスが周囲からは見えにくくなっていることを示しています。一方、大学生以上では、いまだに「いじめ」が主要な原因とされていますが、中高生にとっては、その影響が深刻化していると捉えられます。
岩田代表はこの変化について「コロナ禍による生活様式の変化が原因だ」と述べており、コミュニケーションの仕方や日常生活のリズムも大きな要因と考えています。
学校に行きたくないと感じる時期
不登校の時期について調査した結果、中学2年生が19.9%で最も多く、次いで中1、そして高校2年生も続きます。進路を考える重要な時期であるため、この期間に不安やプレッシャーを感じることが多いのは明らかです。一方、不登校経験者の半数以上は「教室で授業には参加していても、内心『学校に行きたくない』『つらい』と感じた」と回答しており、これは特に深刻な問題と言えます。
相談相手の多様化
相談相手についても興味深い結果が得られました。大学生以上の不登校経験者は母親を主な相談相手に挙げる割合が高く、小・中・高校生は親以外の友人や先生に相談するケースも多いことが分かりました。これは、相談しやすい環境が整いつつあることを示す一方、早期発見の重要性も浮き彫りになっています。
前向きな行動の確保
不登校の間、学生たちは自宅でゆっくり休むだけでなく、積極的に勉強や将来について考える行動をとっていることも判明しました。特に、小・中・高校生はSNSを利用することで自分の気持ちを発信し、ストレスを軽減する方法を模索していることが分かります。
不登校と引け目の感情
不登校に対して引け目を感じるかとの問いには、76.6%が「感じる」と回答しました。この感情は特に若い世代において強く、教育現場や家庭でより良い相談環境を整備する必要があります。
環境を変えることの重要性
調査の結果、環境を変えることに対する意識も高く、特に不登校を経験した小・中・高校生の80%が新しい環境での学びを「良い」と評価しています。これは、通信制高校やフリースクールが不登校の解決策として効果的であることを示しており、今後の教育制度の柔軟性が求められています。
おわりに
コロナ禍を受けた不登校の変化は、単に学校に行かないという行為だけでなく、子どもたちのメンタルヘルスに関連した多面的な問題です。親や学校、社会全体での協力が必要であり、これからの不登校支援において、ストレスを抱える子どもたちに目を向けることが重要です。プレマシードの調査結果は、この重要な問題についての理解を深めるうえで、非常に貴重なデータを提供しています。