新たな省エネ技術がごみ処理施設の脱炭素化を推進—タクマと泉北環境整備の共同実証

環境省による新たなカーボンニュートラルへの取り組み

最近、株式会社タクマと泉北環境整備施設組合、株式会社ユニバーサルエネルギー研究所の3社が、環境省の「令和7年度地域共創・セクター横断型カーボンニュートラル技術開発・実証事業」に採択されました。このプロジェクトは、特に省エネルギー型CO2分離回収技術の実証を目的としています。

プロジェクトの概要

実証事業は、主に大阪府和泉市の泉北クリーンセンターにおいて行われます。ここでは、ごみ処理施設から排出されるCO2を高効率で回収するために、先進的な技術が用いられます。一般的にごみ処理に伴う排ガスはCO2濃度が低いため、従来の方法では効率よく回収することが困難でした。しかし、タクマは新たに開発した低温でCO2を回収可能な非水系アミン吸収液を使用し、これを解決しようとしています。

技術の革新

この技術は、化学吸収法とも呼ばれる手法に基づいています。具体的には、まず低温で吸収液がCO2を吸収し、その後、加熱することでCO2を放散・回収します。この過程において、従来の方法では多くの熱エネルギーが必要とされましたが、新たな吸収液を導入することにより、必要な温度を100℃未満に抑えることが可能になりました。

さらに、燃焼排ガスの廃熱を効率的に利用することで、全体の熱エネルギー消費を大幅に削減することにも成功しています。このアプローチにより、施設の設置面積も小さくでき、環境への負担を軽減することが期待されています。

実証設備の展望

本実証において、タクマは1日あたり最大6トンのCO2を回収できる省エネルギーかつ省スペースの設備を開発し、2027年度にはその性能評価を開始する予定です。このプロジェクトの成果に基づき、さらなる技術向上を図り、2030年度には商用初号機を納入。その後、全国のごみ処理施設へと展開を進めることを目指しています。