ティアフォーは自動運転の民主化を目指し、自動運転用のオープンソースソフトウェア「Autoware」を利用したシステムの開発に力を入れています。最近、日立Astemoとの間で自動運転システムやソフトウェア定義型自動車(SDV)に関する共同開発がスタートしました。両社はこれまで「The Autoware Foundation」や「SOAFEE」といったオープンコミュニティにおいて技術連携を行っており、その経験をもとに2030年の量産車モデル開発に向けた新たな価値提供を目指しています。
この動きは、自動車業界が100年に一度とも言われる変革期を迎えている中でのものです。従来型のTier 1サプライヤーに加え、高い付加価値を創出するTier 0.5企業が登場し、業界に新しい風を吹き込んでいます。日立Astemoは、車両全体を視野に入れたシステムを提案し、IoV(Internet of Vehicles)プラットフォームの開発を推進しています。また、クラウドでのソフトウェア開発による統一化を図り、開発効率や品質向上を実現することを目指しています。
ティアフォーは、AWFおよびSOAFEEの主要メンバー企業と連携して、「Autoware」を基にした業界標準の自動運転システム開発キット「Open AD Kit」を推進しています。このキットは、クラウドネイティブな仕様の拡充が予定されており、SOAFEE準拠のSDVアーキテクチャに基づいた自動運転システムの開発支援が期待されています。日立Astemoが開発するリファレンスシステムを最大限に活用し、次世代の「Open AD Kit」プロジェクトを進める計画です。
また、ティアフォーは、自動運転システム特化型の機械学習基盤と軽量のエッジAIモデルの開発にじっくりと取り組んでいます。2024年1月にはCo-MLOpsプロジェクトを立ち上げ、世界各国の企業と協力してデータ共有を行いながら技術革新を目指します。この技術も「Open AD Kit」に組み込み、日立Astemoのリファレンスシステムとの連携を進めていく予定です。
自動車業界の未来を視野に入れ、ティアフォーは日立Astemoとの提携を通じて、自動運転システムの開発を加速させ、完成車メーカーに新たな付加価値を提供することを目指しています。ティアフォーは自社の開発した「Autoware」を基盤に市場のニーズに応じたソリューションを展開し、自動運転の未来を切り拓く重要な役割を果たすことでしょう。
会社情報
- - 社名: 株式会社ティアフォー
- - 所在地: 東京都品川区
- - 設立: 2015年12月
- - 事業内容:
- 自動運転プラットフォーム開発
- 自動運転ウェブサービス開発
- 自動運転システム開発キット販売
- 自動運転技術の教育