五常・アンド・カンパニーが新たにアフリカ市場へ進出しました。これは、同社がもくろむ民間版世界銀行の実現に向けた第一歩であり、Baobab Groupへの出資を通じて行われます。
Baobabは、ブルキナファソ、コンゴ民主共和国、コートジボワール、マダガスカル、マリ、ナイジェリア、セネガルの7カ国で展開し、主に中小零細事業者をターゲットにした金融サービスを提供しています。この出資により、五常はアフリカでの金融包摂をさらに加速し、より多くの人々が金融サービスを利用できる環境を整えることを目指しています。
Baobabは、1,000ユーロ未満の融資から最大30万ユーロのビジネスローンまで多様な商品を取り揃えています。顧客は、Baobabのモバイルアプリを通じてナノローンの申請や送金を簡単に行うことができます。2023年12月時点で、Baobabは約46万人の顧客にサービスを提供し、営業貸付金は約8億3,000万ユーロに上っています。
BaobabのCEO、Philip Sigwart氏は、五常を新たな株主として迎え入れたことを喜び、両者が共有するビジョンによって、より広範な金融包摂が実現することに期待を寄せています。また、五常のManaging PartnerであるArnaud Ventura氏も、長期的なパートナーシップを通じて、アフリカ市場における事業の拡大と資金調達の多様化を支援するとコメントしています。
Baobabの成り立ちは、アフリカ最大級のマイクロファイナンスグループとして、従業員4,800人が、金融サービスにアクセスできない人々へ向けた取り組みを促進しています。彼らは、小口融資、預金、決済といったサービスを提供し、デジタル技術を駆使して中小零細事業者へのアプローチを強化しています。
一方、五常・アンド・カンパニーは、アジアおよびアフリカの12カ国で事業を展開し、金融包摂をグローバルに広げることを目的としています。彼らのビジョンは、「誰もが自分の未来を決めることができる世界」を実現することであり、2014年の設立以降、廉価で良質な金融サービスを約50カ国に提供する架け橋となることを目指しています。2024年3月を見据え、彼らのグループ従業員は1万人を超え、顧客数も240万人に達する見込みです。
このように、五常とBaobabの提携は、アフリカにおける中小零細事業者向けの金融サービス市場に新たな風を吹き込むことが期待されており、今後の展開に注目が集まります。彼らが導入する多様な資金源が、さらなる成長を促す鍵となるでしょう。