サグリ株式会社と日本GAP協会が農業の脱炭素化を支援する共同研究を開始

サグリ株式会社と日本GAP協会の共同研究

農業業界において、温室効果ガス（GHG）の削減が求められる中、サグリ株式会社が一般財団法人日本GAP協会と共同でJGAP認証農場におけるGHG排出量の可視化に向けた研究を開始しました。この取り組みは、農業分野の脱炭素化を促進し、生産者の努力を可視化することを目指しています。

研究の背景

国際的に脱炭素化が求められる中、農業においても温室効果ガスの削減が重要なテーマとなっています。しかし、農業者が実施する窒素肥料削減や土壌管理、省エネ活動などの取り組みは、しばしば十分に評価されないという課題があります。これにより、生産者にとって脱炭素への取り組みが新たな負担になり、本来の意欲的な挑戦を難しくしているのが現状です。

共同研究の目的

この共同研究は、JGAPの仕組みを基に、主に次の二つの側面で進められます。

1. GHG排出量データの標準化と可視化
JGAP認証農場から得た活動データとサグリの技術を結びつけ、農場ごとの排出量を明瞭に可視化します。このプロセスにより、排出量の計測・管理が容易になり、農場の経営改善に活用できる仕組みの構築を目指します。

2. 生産者の努力の見える化と評価の仕組みづくり
生産者の取り組みがデータとして可視化され、流通や販売の場で「環境配慮型農産物」として評価される新たな市場の形成を目指します。また、GHG排出量だけでなく、炭素貯留量の算定にも取り組み、より包括的な評価を実現することを目指します。

研究会の設立

この取り組みの具体化に向けて、JGAP認証農場及び関係企業を中心に共同研究会を設置します。11月から12月にかけて参加者を募り、実証実験や算定手法の検討を進める計画です。生産者の努力が適切に評価され、企業が安心して環境価値を取得できる枠組みを一緒に構築していく予定です。

シンポジウム「GAP Japan 2025」の開催

共同研究の開始に先立って、2025年11月14日（金）に開催されるシンポジウム「GAP Japan 2025」にて、共同研究の概要と方針が発表されます。このシンポジウムでは、日本GAP協会の代表理事専務荻野宏氏が研究の趣旨を述べるほか、サグリのCTO牧野直矢が同社の衛星データ活用技術とGHG排出量の可視化について講演を行う予定です。

シンポジウムでは、政策リーダーや農業経営者も登壇し、世界の専門家からのビデオメッセージも上映される予定です。持続可能な農業の未来について多角的な視点から議論が行われる貴重な機会ですので、ご参加をお待ちしております。

GAPとは何か？

GAP（Good Agricultural Practices）は良い農業の実践を指し、農業生産者が遵守すべき取り組みをまとめたものです。日本GAP協会が提供するJGAPやASIAGAPは、食品の安全、環境保全、労働安全などを基盤とした認証制度であり、SDGsの達成に向けた大きな役割を果たしています。農林水産省もこの推進を重要視しており、様々な食品事業者からの支持も受けています。

日本GAP協会について

日本GAP協会は、JGAPとASIAGAPの二つの認証制度を開発、運営、普及することを目的とした法人であり、持続可能な農業や食品の安全性に貢献することを目指しています。協会は2015年に設立され、広範な活動を通じて社会に貢献しています。

※詳細は日本GAP協会の公式ウェブサイトでご覧いただけます。

サグリ株式会社のビジョン

サグリ株式会社は「人類と地球の共存」をビジョンに掲げ、持続可能な農業と地球環境の課題解決を目指しています。AIを活用した農業ソリューションを提供し、耕作放棄地の検出や作物のディスカバリーを行うアプリケーションにも取り組んでいます。その成果として、政府からの支援や受賞歴を持ち、農業界に革新をもたらすスタートアップとして注目されています。