みなかみ町立水上小学校がユネスコスクールに登録
群馬県みなかみ町に位置する「みなかみ町立水上小学校」が、2025年11月に文部科学省を通じて正式にユネスコスクールに登録されました。この新たな認定により、みなかみ町内のすべての小中学校がユネスコスクールとしての仲間に加わることとなり、地域全体が持続可能な開発の教育(ESD)の実践に力を入れていく体制が整いました。
自然と共生する教育環境
水上小学校は、「みなかみユネスコエコパーク」の中にあり、自然と人々が共生する環境で学びの場を提供しています。2017年にユネスコエコパークとして認定された際から、「自然と人間社会の共生」がまちづくりの理念として掲げられてきました。これにより、日常的に地域との連携を図りながら、子どもたちに持続可能な社会への意識を育む取り組みが進められています。
水上小学校では、特に「郷土みなかみを愛し、確かな学力と豊かな人間性を身に付ける」という教育目標を掲げています。具体的には、行われる授業ではESDを基にした多様な学びの活動が取り入れられており、自然環境と地域社会を学んでいきます。
水上(みなかみ)ハートタイム
特に「水上ハートタイム」と名付けられた総合的な学習の時間では、各学年に応じた生き物観察や植物の栽培、雪国の暮らしの探求、温泉の魅力を発信する活動などを通じて、地域資源を活用した実践的な学びが展開されています。さらに、人権学習や環境学習,地域住民による学校支援など、地域とのつながりを深める活動も行われており、自立した子どもたちの育成が目指されています。
町全体での取り組み
また、みなかみ町内の他の小中学校でも地域資源を活用した教育が進められています。このたび水上小学校がユネスコスクールとして登録されたことにより、町全体のESDのネットワークが強化され、今後は学校間の協力を深め、共同で学習教材の開発や交流促進を図ることが予定されています。
この取り組みを通じて、地元教育機関や家庭、地域全体が一体となり、子どもたちが未来に向けて豊かな学びを得られる環境づくりを進めています。
教育に対する期待
水上小学校の阿部校長は、「水上小学校の学びは、豊かな自然と地域の支えによって成り立っています。今回の登録を機に、ESDをさらに充実させ、子どもたちが自ら考え行動し、地域を誇りに思う心を育てていきたい」と述べています。また、みなかみ町教育委員会の田村教育長も、「地域の全小中学校がユネスコスクールとして認められたことは、子どもたちの学びの力を育てていく証です」と語り、さらなる教育促進に向けた意欲を示しています。
ユネスコスクールの意義
ユネスコスクールは、持続可能な社会づくりを重視し、平和や人権、多文化理解などのテーマを通じて地域や世界との連携を深めることを目指しています。日本では、2025年9月時点で1,083校がこのネットワークに参加しています。
このように、みなかみ町は教育を通じて地域の未来を育成するため、多様な取り組みを進めており、持続可能な社会の一翼を担うことを目指しています。