株式会社スーパーアプリが、熊谷組と共に取り組んでいる「藻類✕アクアポニックス」プロジェクトは、次世代の環境保全型農業を目指しています。このプロジェクトでは、魚の陸上養殖と水耕栽培を組み合わせたアクアポニックスに、熊谷組が発見した独自の微細藻類の培養技術を取り入れています。
プロジェクトの概要
アクアポニックスは、魚と植物を協力させることで資源の循環を可能にする農法です。実際、同プロジェクトでは、肥料の使用を最小限に抑えつつ栄養素を効率的に循環させ、環境への負担を軽減することを目的としています。また、日本初のCCU(Carbon Capture and Utilization)プラントを利用し、清掃工場から排出されるCO2を微細藻類に供給する仕組みも整えています。
この取り組みが評価され、2024年8月には「Xtrepreneur AWARD 2024」のGX/カーボンニュートラル部門で受賞しました。これは、企業間での共創プロジェクトを称揚し、持続可能な社会に向けた取り組みを加速するための重要なイベントです。
IoT水質管理システム「マナシステム®」
このプロジェクトにおいて、株式会社スーパーアプリが提供するのが、アクアポニックス向けのIoT水質管理システム「マナシステム®」です。このシステムは、農業や水産業の環境をリアルタイムで監視し、データを管理することができます。センサーから得た情報を基に、最適な環境を維持し、さらに他社のアプリとも連携可能です。
「マナシステム®」は、定期的に校正済みセンサーを提供するサブスクリプションサービスを採用しており、利用者の日常的なメンテナンスを簡略化しています。また、本システムは自社農園を始め、国内の複数のアクアポニックス施設にも導入されています。
将来の展望
「藻類✕アクアポニックス」プロジェクトは、今後10施設まで運用を拡大する計画で、2030年までに100施設を設立することを目指しています。最終的には、年間売り上げ60億円を見込んでおり、顧客対象には廃校や廃工場を持つ行政や企業が想定されています。
アクアポニックスとは
アクアポニックスは、魚と野菜を同時に育てることができる循環型の農法です。農薬や化学肥料を使用せず、環境にやさしい方法で栽培が行えます。この手法は、2025年の大阪・関西万博でも展示が予定されており、注目を集めるでしょう。
企業情報
株式会社スーパーアプリは、愛知県名古屋市に本社を置き、2010年に設立されました。最初はゲームの開発を行っていましたが、近年はAI技術を活用し、農業分野へ進出しました。2022年にはアクアポニックスを利用した自社農園「マナの菜園」を開設し、一般消費者向けに野菜の販売も開始しています。今後も持続可能な社会の実現に向けた取り組みを進めていく予定です。