サーモフィッシャーサイエンティフィックが、日本市場に新しいマルチモードマイクロプレートリーダー「Thermo Scientific Varioskan ALF」を投入することを発表しました。このリーダーは、吸光、蛍光、および発光の測定に対応しており、2024年9月13日から販売が開始されます。
近年、ライフサイエンス研究の進展と医薬品開発の高度化により、測定技術の多様化が進んでいます。特に、シングルモードマイクロプレートリーダーから、複数の測定技術を持つマルチモードマイクロプレートリーダーへの需要が増加しています。この流れを受け、サーモフィッシャーは新たにVarioskanシリーズの製品ラインを拡充し、エントリーモデルとして新製品を開発しました。
Varioskan ALFは、特にタンパク質の定量やELISA測定に適したデザインを採用しています。そのコンパクトなサイズながら、上位モデルの機能を継承しており、例えば自動ダイナミックレンジ選択機能や起動時の自己診断機能が備わっています。これにより、安定した測定が実現されており、様々なサイズのマイクロプレート(6ウェルから384ウェルまで)に対応しています。
また、本製品は優れた光学系を備えており、光の波長を200nmから1,000nmまで連続的に選択可能です。この自由度が、核酸やタンパク質の正確な定量、細菌の増殖曲線の解析、ELISAテスト、さらには細胞の生存率測定など、多彩な研究領域に対応することを可能にします。
H本製品には、測定プロトコルの作成や装置の制御、データ解析を行うための「Thermo Scientific SkanIt」ソフトウェアが標準で付属しています。このソフトウェアは、ライセンスフリーであり、複数のPCにインストール可能です。日本語や英語など、多言語に対応しているため、ユーザーは自分の使いやすい言語で操作できます。直感的に操作できるインターフェースを備えており、測定プロトコルの作成もシンプルに行えます。また、測定結果の解析においても、一度解析のステップを設定することで、自動的に計算が行われるため、同一の計算処理を繰り返す手間が省かれます。
さらに、SkanItプログラムは、サーモフィッシャーのすべてのマイクロプレートリーダーおよびマルチモードマイクロプレートリーダーに対応しています。これにより、ユーザーは他の装置でも同様の操作感で作業を行うことができるのが大きな魅力です。
自動ダイナミックレンジ選択機能も注目ポイントです。この機能が、マイクロプレートのウェル内の信号強度に基づいて測定のダイナミックレンジを自動で選択し、一貫した結果を提供します。これにより、ユーザーは各試料ごとに手動で設定を調整する必要がなくなります。
詳細な技術仕様やアプリケーション、消耗品に関する情報は、公式ウェブサイトを参照することができます(https://www.thermofisher.com/jp/ja/home/life-science/lab-equipment/microplate-instruments/plate-readers/models/varioskan-alf.html)。
なお、本製品は研究用としてのみ使用され、診断用には使用できません。今後のライフサイエンス研究分野におけるさらなる利便性と効率性を期待させる製品と言えるでしょう。サーモフィッシャーの革新的な技術とサービスが、研究の進展を後押しすることに間違いありません。