ロールス・ロイスが織り成す、桜の美を讃えたファントム・チェリー・ブロッサム

桜の美を凝縮したファントム・チェリー・ブロッサム

2025年4月2日、イギリスのウエスト・サセックスにあるグッドウッドで、ロールス・ロイスが新たなるビスポークモデル、「ファントム・チェリー・ブロッサム」を発表しました。このモデルは、日本の春の象徴である桜をテーマにした特別な自動車です。桜の儚い美しさを家族で分かち合いたいというお客様の要望から誕生したこの一台には、25万針の刺繍が施され、最高級の職人技が結集されています。

美の源泉

ロールス・ロイスのこの新作は、まさに日本の「花見」からインスパイアを受けたものです。日本では桜は短い期間しか咲かないため、その美しさが一層際立ち、儚さや移ろいゆく自然の美を象徴しています。このファントム・チェリー・ブロッサムは、桜の開花期を愛でる文化を家族間で受け継ぐことができる存在として、多くの思い出を形にすることを目指して創られました。

緻密な刺繍技術

この車の内部は、まるで咲き乱れる桜の木の下にいるかのような感覚を再現しています。特に、スターライト・ヘッドライナーには、満開の桜の花が美しく刺繍されています。後部のドア・パネルやプライバシー・スイートのパーティションには、舞い散る花びらが施され、まるで自然の中にいるような感覚を与えます。この芸術的なデザインには6カ月もの年月がかかり、刺繍には25万針が使われています。特に、ヘッドライナーの刺繍だけでも3週間を要し、各ディテールに対するこだわりが強く反映されています。

日英を超えた職人の技

ファントム・チェリー・ブロッサムには、ロールス・ロイス初の立体的な3D刺繍が用いられています。手作業で形作られるこれらの花びらは車内の照明に応じて、柔らかな陰影を生み出し、まるで生きた桜のような印象を与えます。この技術は特に難易度が高く、専門家が新たな刺繍技法を開発しました。

個人の想いと伝統

ビスポークデザインにおいて特に重要な点は、お客様の個人的な思い出や希望をどれだけ反映できるかです。ファントム・チェリー・ブロッサムは、お客様の深い個人的な体験や伝統的な日本の文化を基にした一台です。この特別なモデルは、次世代にわたって受け継がれることを意図しており、家族が共に体験を分かち合うための存在となることを目指しています。

現代と伝統の融合

デザインに取り入れられた細部にも桜のモチーフが見られ、ドアの内側にも舞い散る花びらの刺繍が施されています。また、エクステリアのアークティックホワイトボディには、手描きのコーチラインが施されています。これらは伊達に飾られるものではなく、ファントム・チェリー・ブロッサムの持つ芸術性を示す要素となっています。どの部分を見ても、桜の美しさに対するロールス・ロイスの敬意が感じ取れます。

ロールス・ロイスの誇り

ロールス・ロイス・モーター・カーズは、精緻なビスポーク製品を手作業によって製造する世界で最も高い評価を受けるラグジュアリー自動車メーカーです。グッドウッドには2,500人以上の従業員が勤務し、創業以来、英国経済にも多大な貢献を果たしてきました。このファントム・チェリー・ブロッサムは、ロールス・ロイスの職人たちの情熱と技術を象徴するマスターピースであり、桜の美しさを一台に凝縮した豪華な存在です。