近江兄弟社高等学校がICT活用により英語教育を進化
近江兄弟社高等学校(滋賀県近江八幡市)が、モノグサ株式会社の記憶プラットフォーム「Monoxer」を利用して英語教育の質を向上させる取り組みを行っています。このプログラムは2021年度から本格的に運用され、僅か3年で多くの成果を上げました。特に、英検®合格率の向上と模擬試験の偏差値の上昇が顕著です。
学校の背景と教育方針
近江兄弟社高等学校は、創立者W.M.ヴォーリズの理念に基づき、キリスト教の教えを礎にした人間教育を軸としています。教育には思考力や協働力の育成に重点をおいており、特に「いのち」「平和」「豊かに生きる力」といったテーマに基づいたプログラムを提供しています。
学校はグローバル教育や探究学習にも力を入れており、生徒たちが海外への進学や理系分野での活躍を目指す中で、英語教育はその中心的な役割を果たします。2020年にはコロナ禍により1人1台の端末を導入したものの、家庭学習の習慣化や継続的なサイクルを確立することが新たな課題として浮上しました。
Monoxerの導入とその工夫
2021年度から本格的に運用を開始したMonoxerでは、英語科が学年ごとの進度に合わせてタスクを配信し、担任が進捗を確認する体制を整えました。この仕組みは、学習時間を1日10~15分程度に設定し、部活動との両立も可能な形で進められました。これにより、無理なく学習を続けられる習慣が築かれました。
さらに、毎週の記憶定着具合を確認し、必要に応じて補習やサポートを行うことで、データと実践を連携させた学習環境を整えました。全教員が協力し、行事に応じた柔軟なスケジュール調整を行った結果、学びやすい環境が生まれました。生徒一人ひとりの進捗に応じた声かけも励みとなり、学習意欲の向上にも繋がっています。
確実な成果とその影響
3年間の継続的なMonoxerの利用により、模擬試験の偏差値は上昇し、英検®の合格者数も年々増加しました。しかし、数値的成果だけでなく、生徒たちの学習姿勢や学校全体の教育文化にも大きな変化が見られました。
学習スタイルの短時間の積み重ねが記憶の定着を助け、生徒たちは自ら工夫して学びに取り組む姿勢を形成しました。「やらされ学習」から「自ら学ぶ文化」へと意識がシフトし、日常的な学習が自然な習慣として定着しているのです。家庭でも学習に取り組む姿勢が育ち、保護者からも好意的な声が寄せられるようになりました。
次のステップとビジョン
近江兄弟社高等学校の石田副校長は、当初の浸透の困難さを振り返りつつ、現在では教員が協力し合い責任を果たしていると述べています。今年度からは古文や歴史総合を長期休暇の自由課題に取り入れ、さらなる効果的な形へと改善していく意向を示しました。また、記憶定着度を測るための小テストへのMonoxer活用も検討しているとのことです。
このように、Monoxerを通じて近江兄弟社高等学校は英語学習の習慣化に成功し、記憶を日常生活の一部として取り入れることに貢献しています。今後も同校が展開する様々な取り組みから目が離せません。
まとめ
近江兄弟社高等学校がMonoxerを活用したことで、学校全体での英語学習が“習慣化”され、生徒たちの意欲や学習姿勢にポジティブな変化が見られました。この成功は、他の学校にとっても参考となるモデルケースであり、今後の発展が期待されるところです。