2025年度 日本の資産運用会社の気候変動取り組みランキング
今年度発表された日本の大手資産運用会社の気候変動への取り組みについて、国際青年環境NGO A SEED JAPAN と「環境・持続社会」研究センター(JACSES)が実施した評価結果が公開されました。本調査は、14社の運用会社を対象に、排出削減目標やエンゲージメントの方針、議決権行使の実施状況など、30項目にわたって評価されています。
2025年度ランキング:トップ3の企業
1位のアセットマネジメントOne、2位の三菱UFJアセットマネジメント、3位の野村アセットマネジメントはその取り組みで高評価を得ています。しかし、注目すべきは全体の傾向で、気候変動関連株主提案への賛成率が顕著に低下している点です。昨年度の平均賛成率は20%でしたが、今年度はわずか4%にとどまっています。
各社の傾向と課題
調査結果からは、特に以下の3つの点が顕著に浮かび上がっています。
1.
脱炭素目標の欠如: 大多数の運用会社がNet Zero Asset Managers Initiative(NZAMI)の目標を設定していますが、2030年の排出削減目標が50%を超える野心的な目標を掲げている会社は見当たりません。
2.
エンゲージメントの停滞: 株主提案に対する賛成率の低下を受け、気候変動に対する企業のエンゲージメントが残念ながら後退している様子が見て取れます。
3.
透明性の欠如: 株主提案に対する評価基準や、議決権行使における気候変動関連のスタンスが十分に公開されておらず、透明性が求められています。
これらの結果は、企業に対する気候変動行動への圧力が必要であることを示唆しています。特に、金融市場において大きな影響力を持つ日本の運用会社が、より積極的な姿勢を取ることが、気候変動対策を進める重要なカギとなるでしょう。
期待される今後の行動
調査に寄せられたフィードバックからは、気候変動への対応を強化することに対する期待が高まっています。各社には今後、具体的な行動計画や透明性の向上が求められています。また、国際的に見ても、環境NGOや一般市民からの期待が強まり、企業への圧力となることが予想されます。
日本の市民が支払う公的年金保険料の一部は、GPIFに運用されており、これにより運用会社の取り組みが促進されることになるでしょう。さらに、安定した資金運用の観点からも、ESG(環境・社会・ガバナンス)に積極的な姿勢を示すことが求められています。
このような動きが日本の資産運用業界において強化されることで、最終的には持続可能な社会の実現につながっていくことが期待されます。