株式会社ヤナセの2025年度決算報告
株式会社ヤナセ(社長:森田 考則)が発表した2025年3月期の決算は、業績が一部のモデルで伸び悩む中、全体的には安定した成長を見せています。特に新車販売事業では、WEB広告を駆使し、より多くのお客様を公式サイトへ誘導し、来店を促進する取り組みが功を奏しました。この結果、新車の販売台数は28,532台、前期比で2.1%の増加となりました。
新型車投入による受注の増加は、その要因の一つです。とはいえ、供給の遅れがあったモデルがあったため、今後はこの点の改善が求められます。顧客との関係強化を図るために大規模なホテルフェアを開催し、また「オーナー専用WEBサイト」で異業種とのコラボイベントを実施することで、競争優位性の確立を目指しています。
中古車販売事業の重要性
中古車販売事業も好調で、特に「メルセデス・ベンツ サーティファイドカーセンター」では、下取り施策を強化し、高年式車両の確保に努めました。また、自社サイトや中古車検索サイトへの問い合わせを本社コンタクトセンターで一元管理し、業務の効率化を図っています。これにより、中古車販売台数は33,814台という結果を記録し、前期比で6.9%の増加を達成しました。
アフターセールス事業の取り組み
アフターセールス事業も重要な収益源として機能しており、車検のフォローや整備の効率化を行っています。特に車検獲得率の向上に努めており、サービスメンテナンスプログラムを強化し収益拡大を図っています。また、外国人整備士の積極採用や業務システムの統合により、効率化が進んでいるのも特徴的です。
ただし、整備台数は630,393台と前期比2.9%の減少となりましたが、売上高は前期比1.9%の増加を見せています。これにより、全体的な売上は安定した成長を維持しています。
今後の課題と展望
今期の課題として、ヤナセグループはブランド力を強化するために「ブランディング・プロジェクト」を立ち上げ、キーメッセージ「動かせ、ヤナセ。」に基づく企業広告の展開が進められています。これにより、認知度の向上や競合との差別化を狙っています。
また、従業員の労働環境や福利厚生の充実に取り組むことで人的資源を強化し、事業継続計画も浸透させます。外部環境の影響を受けにくい収益体質の確立を目指し、継続的な取り組みを行います。
新車販売事業の目指すもの
新車販売事業では、徹底した顧客フォローを通じて代替需要を創出し、富裕層向けのサービスを提供する企業との提携によって新たな顧客の獲得を進めます。接客技術の向上を目指すために、社内コンテストも計画しています。
中古車販売事業の強化
中古車販売においては、新車営業との一体経営を強化し、高年式車両の確保と販売の拡大に努めます。また、デジタルマーケティングを強化し、自社サイトの会員登録数を増加させることを目指します。
アフターセールス事業の進化
アフターセールスでは新車販売事業との連携を深め、入庫台数の確保や業務効率化を推進します。社外への売上増加を目指し、板金塗装部門でも新たな取り組みを行います。DX戦略による生産性向上が期待されます。
今後のヤナセの成長に注目が集まります。