iYellが挑戦するAI駆動の開発
東京都目黒区に本社を構えるiYell株式会社が、エンジニアチームに新しい開発スタイル「コード書かない月間」に取り組みました。この独自の試みは、AIを活用し生産性を飛躍的に高めることを目的としており、実際にその効果が顕著に表れています。
コード書かない月間とは?
iYellが実施した「コード書かない月間」は、2025年の9月11日から10月9日の約1ヶ月間にわたる施策です。この期間中、エンジニアはコードを書かずに、AIエージェントを活用した新たな開発アプローチに挑戦しました。これにより、開発にかかる時間を最大で40%短縮し、生産性を50%向上させるという大きな成果を上げました。
AIの力を借りた開発プロセス
この取り組みの最大のポイントは、開発プロセス全体にAIを取り入れることです。具体的には、設計フェーズでの要件整理から始まり、実装、レビューに至るまでをAIが補助しました。具体的には、次のステップで行われました:
1.
設計フェーズ:
- AIは依頼部門からの要望を読み込み、要件を自動的に整理。
- 関連するファイルを生成AIが抽出し、影響範囲を提示しました。
- MCP連携によって、issueの自動コンテキスト読み込みを実施。
2.
実装フェーズ:
- Claude Codeのカスタムコマンドを使い、要件解析から実装、テスト、PR作成までを一括で自動化。
- 既存の設計と命名規則に準拠した生成を行いました。
3.
レビューフェーズ:
- AIが一次レビューを行い、コードの品質をチェックした後に、人間が最終承認を行い、リリースが完了しました。
効果と成果
この施策によって、iYellの開発チームは以下のような成果を実現しました:
- - 開発時間の最大40%削減
- - チケット完了数が30件から42件へ増加(+40%)
- - ストーリーポイントが46.6から70へ増加(+50%)
- - 想定作業時間が227時間から137時間へ減少(-40%)
さらに、メンバーのAI活用スキルも向上し、通常の業務では得られない深い体験と知識を身につけました。
担当者の意見と今後の展望
担当者は、初めは既存プロダクトでのAI導入に懸念があったものの、効果を実感できたと語っています。また、AI駆動開発に関する新たな課題も見えたため、今後はそれらを解決しながらより良い開発環境を構築していく意向を示しています。
iYellの歴史と未来
iYellは「プラチナAI企業グループ」としてのビジョンを持ち、今後もAIを駆使して住宅ローン分野での革新を目ざします。「誰もが安心して最適な住宅ローンを選べる社会」の実現に向け、テクノロジーと人の力を融合させていくことが、今後のiYellの重要な課題となるでしょう。
会社情報
- - 会社名: iYell株式会社(The iYell Co., Ltd.)
- - テーマに関連した公式ウェブサイト: iYell公式サイト
- - 設立日: 2016年5月12日
- - 所在地: 東京都目黒区青葉台4丁目7番7号住友不動産青葉台ヒルズ7階
このように、iYellの取り組みは単なるプロセス改善にとどまらず、今後の開発及びビジネスモデルの進化においても重要な役割を果たすことでしょう。