手紙文化の明日
最近、「年賀状じまい」といった言葉が増えてきました。2025年度用の年賀はがきの発行枚数は、前年に比べて25.7%も減少したとのことです。これに伴い、手紙文化が徐々に薄れつつある中、兵庫県で活動する「えんを描く」の代表、小森利絵さんが新たな手紙の書き方を提案し、そのエッセンスをまとめた書籍が2024年11月17日に出版されます。
手紙の重要性
日本郵便によれば、国内郵便は2001年度の262億通をピークに、22年間で48.3%も減少しています。特に、2024年10月には郵便料金が値上げされる予定で、より一層お手紙離れが加速することが懸念されています。しかし、スピード社会においてこそ手紙の重要性が再認識されているのです。手紙はただの情報伝達手段ではなく、感情をつなぐための“無駄を楽しむためのツール”としての側面も持っています。
書籍の内容と著者の想い
新刊『おてがみじかんでほんの少し心にゆとりを』は、文通歴35年を誇る著者がこれまでの経験を基に執筆しました。「お手紙を書く時間を楽しむ会」を主宰する小森さんは、旅先での絵葉書、一年後の自分宛のお手紙、身近な人への感謝のメッセージなど、多彩な手紙の楽しみ方を提案しています。
新しい手紙の楽しみ方
1.
旅先から自分宛ての絵葉書: 旅の思い出を綴った絵葉書を自分宛に送ることで、到着を心待ちにし、旅のワクワク感を友達と共有できる。
2.
年に一度の自分宛てのお手紙: 1年の間に出会った人々や出来事を大切に思い出すために、自分自身へお手紙を書くことで、成長を振り返ることができる。これらの手紙は「言葉のアルバム」となることでしょう。
3.
身近な人への手紙: 家族や友達に、普段直接は伝えられない感謝や思いを手紙に綴り、思いを共有する喜びを味わう。
4.
亡き人への想い: 思いを寄せたい人への感謝や後悔の気持ちを書き出し、心の整理をする大切なプロセスとしての手紙。
5.
文章力のアップ: 書く環境を整え、自分の気持ちを具体的に表現する練習として手紙を書くことができる。
これらの提案は、忙しさに追われる現代人にとっての貴重な心の安定剤となるでしょう。
お手紙を書くことの意義
手紙を書くことは、自己表現の一形態であり、自身と向き合う時間を持つことができます。気持ちを言葉にして、相手に伝えることは大切なコミュニケーションの一環です。手紙を通じて感じること、考えること、それがさらに深いつながりへと導くのです。
小森さんは、手紙を書く時間が年末年始の特別な瞬間をもたらすことを認識し、こう語ります。「年賀状を書くことは、毎年の楽しみであり、新たな出会いや感謝の気持ちを再確認する時間です。」
現在の忙しい時代こそ、たまには手紙を書いてみませんか?ゆとりのある時間を持つことで、自分の心に安らぎをもたらそうとするこの書籍は、手紙文化を守り続けたい全ての人に向けられています。
書籍概要
- - 発行: Booko出版
- - 発売日: 2024年11月17日
- - 著者: 小森利絵
- - 定価: 本体価格1,100円+税
- - ページ数: 92ページ
手紙文化の未来を考えるきっかけとして、この書籍を手に取ってみてはいかがでしょうか?