エプソン、製造業向け新スカラロボットシリーズ発表
エプソン販売株式会社は、2025年10月28日に自動化技術の新たな一歩を示すスカラロボットシリーズの販売を開始します。このシリーズには『LA3/6-A』、『LS50-C』、および『RS4/6-C』が含まれており、製造現場の効率化に寄与すると期待されています。
現況における製造業の課題
製造業では少子高齢化が進む日本において、人手不足や熟練作業者の減少が深刻な問題とされています。また、製品の品質要求もますます厳しくなっているため、企業は「省人化」「高精度化」「柔軟な生産体制の構築」といった見地から自動化を推進せざるを得ません。しかし、特に中小企業においてはコスト面や専門技術者の不足が障壁となり、自動化が進まない現状も見受けられます。
エプソンの新しいアプローチ
エプソンが新たに発表したシリーズは、小型・軽量・高精度の技術を駆使した設計により、スペースを有効活用しつつ繊細な作業にも対応できる点が大きな特徴です。特に、スカラロボットは2024年の時点で世界シェアNo.1を継続しており、電気・電子部品や自動車業界、食品産業でも広く導入されています。
新しく追加された『LA3/6-A』シリーズは、高生産モデルとして搬送や組み立て工程に特化しており、容易な設置やメンテナンスが可能です。これにより、中小企業でも運用しやすい環境が整います。さらに、エプソンが初めて開発した50kgの可搬能力を持つ『LS50-C』シリーズでは、重量物の搬送ニーズに応じた機能が付加され、EV関連の生産ラインにおける効率性を向上させることができるでしょう。
安全性と保守サービスの強化
新シリーズは、安全性にも配慮した設計となっており、新しいコントローラー「RC800-A」が導入されています。このコントローラーは国際安全規格に準拠しており、安全速度監視や安全位置監視などの機能を備えています。また、マニピュレーターはバッテリーレス構造を採用しており、定期的なバッテリー交換が不要になることで、保守作業の手間を減少させます。
さらに、エプソンは定期点検を含む定額保守サービスも提供することにより、お客様の生産ラインでの長期安定稼働を実現する取り組みをしています。このサービスは、突発的な故障によるコストを抑えるとともに、設備保全の予算化を容易にします。
エプソンの企業としての強み
エプソンは時計製造から始まり、自社開発のロボットを自社工場で活用してきた経験を生かしています。ロボットメーカーでありユーザーでもあるこの背景は、自社の技術を熟知した強みとなっています。顧客視点を第一に考え、製造環境の効率向上に寄与するための総合開発環境の提供を目指しています。
今回のロボットシリーズは、製造業における大きな進展を促すものであり、エプソンが提供するソリューションは、業界全体の競争力を高めることにもつながると期待されています。エプソンの新しいスカラロボットシリーズの登場により、自動化の進展が加速することでしょう。