台湾のごみ焼却技術
2025-12-24 12:13:56

三菱重工、台湾のごみ焼却発電施設に先端設備を供給

台湾台中市のごみ焼却発電施設における新たな展開



三菱重工環境・化学エンジニアリング株式会社(MHIEC)が、台湾台中市の「台中文山ごみ焼却発電施設」への主要機器供給契約を締結しました。この契約は、822億円規模で、台中市の環境保護局と特別目的会社(SPC)との間で結ばれたものです。台湾の廃棄物処理事情を大きく変えるこのプロジェクトの詳細を見ていきましょう。

プロジェクトの背景



台中文山ごみ焼却発電施設は、1995年から稼働しており、長年にわたって台湾中部地域の廃棄物処理を支えてきました。しかし、施設の老朽化が進み、新しい代替施設の建設が急務となりました。そこで台中市は、BOT(Build Operate Transfer)事業を通じて新たな施設を建設・運営することを決めました。

MHIECは、台湾での廃棄物処理分野での豊富な実績を活かし、このプロジェクトに参加。台中市政府環境保護局より受注したSPCとの間で、主要機器の供給契約を結ぶ運びとなりました。

最新鋭のV型ストーカ式焼却炉



MHIECが供給するのは、最新の独自燃焼技術を採用したV型ストーカ式廃棄物焼却炉です。この設備は、環境性能と発電効率の両方を高めるために、焼却炉の設計が最適化されています。

V型ストーカ炉は、耐熱金属の角材が並べられた床の下から空気を送り、廃棄物を突き上げることで燃焼を促進する仕組みです。この特徴により、 مختلفの性質を持つ廃棄物でも安定的に焼却でき、未燃分の割合を減少させることが可能です。環境負荷を低減し、持続可能な廃棄物処理を実現する発展的な技術と言えるでしょう。

SPCについて



今回の事業において、SPCは台湾の廃棄物処理の最大手である達和環保服務股份有限公司(Onyx Ta-Ho Environmental Services)と、台湾最大のセメント会社である臺灣水泥股份有限公司(TCC Group Holdings)による子会社の臺泥化學工業股份有限公司(TCC Chemical)の共同出資で設立されました。プロジェクトの期間は30年とされ、長期的な視点での運営が期待されています。

台湾への貢献



MHIECは台湾市場においてこれまでに7件のごみ焼却発電設備の納入実績があり、今後さらにV型ストーカ炉の拡販やアフターサービスを展開することで、台湾の廃棄物処理の安定化を図るとのことです。これはカーボンニュートラル社会の実現に向けた一歩としても重要な役割を果たすと予測されます。

このように、台湾・台中市の新しいごみ焼却発電施設は、環境性能と経済性を両立させることを目指しており、今後の廃棄物処理に重要な影響を与えることが期待されています。


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会社情報

会社名
三菱重工業株式会社
住所
東京都千代田区丸の内三丁目2番3号丸の内二重橋ビル
電話番号
03-6275-6200

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