繰上返済の新潮流
2024-10-03 12:28:39

ファイナンシャル・ウェルビーイングを高める繰上返済の新潮流とは

住宅ローンの繰上返済が変わる!?



近年、住宅ローンの繰上返済に対する考え方が変化しています。三井住友トラスト・資産のミライ研究所が行った2024年の調査結果によると、特に直近の10年間でその傾向は顕著です。従来、多くの人々は住宅ローンの早期返済を目指し、その結果として心理的な負担を減らしたいという思いが強かったのですが、最近では「お金を貯めて資産運用に使いたい」という意識が増加しています。

繰上返済実態の変化



調査によると、過去の借入期間においては繰上返済のピークが「借入れから10年前後」であったのに対し、2014年以降の借入れではそのような明確なピークが見られないという結果が出ました。これは、金利や経済環境が変化したことに起因している可能性があります。繰上返済の理由も「早めに返済したい」という心理的な理由から「資産形成に充てる資金を増やしたい」という経済的視点へとシフトしています。

ファイナンシャル・ウェルビーイング度に与える影響



さらに、繰上返済の経験の有無によってファイナンシャル・ウェルビーイング度が異なることも明らかになりました。繰上返済経験がある人は、ない人よりも高いウェルビーイング度を示しましたが、しっかりとした将来設計や資金計画がない場合は、その効果が薄れることが確認されました。つまり、計画的な繰上返済がファイナンシャル・ウェルビーイング向上に寄与することが分かります。

繰上返済の判断を慎重に



ただし、繰上返済には注意が必要です。手元に資金が減ることで、予期せぬ支出に備える余裕がなくなる可能性があります。特に、将来の支出(子どもの教育費や自己投資など)を計画している場合、繰上返済を実施するかどうかは慎重に考えるべきです。

調査によると、繰上返済をした経験のある人の中でも、将来設計を持たない場合は返済の負担感が大きくなり、資産形成との両立が難しくなることが示されています。

結論:二刀流の重要性



結局、住宅ローンの繰上返済を考える際には、単に早く返済することだけに拘らず、資産形成のことも視野に入れることが大切です。したがって、「ライフプラン」と「マネープラン」をしっかり検討した上で、繰上返済を行うかどうかの判断を下す、いわば“二刀流”のアプローチが求められます。これは、ファイナンシャル・ウェルビーイングの向上にも大きく寄与することでしょう。

今回の調査結果は、今後の借入れや繰上返済を検討する上で、非常に有意義なデータとなっています。ぜひ詳細な結果を資産のミライ研究所のウェブサイトで確認されることをお勧めします。


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会社名
三井住友信託銀行株式会社
住所
東京都千代田区丸の内1-4-1三井住友信託銀行本店ビル
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