環境教育を楽しく学ぶ新プロジェクト
新宿区において、未来の環境問題への意識を育てる新しい試みが始まっています。宝塚大学東京メディア芸術学部、成女高等学校、JFLのクリアソン新宿、そしてNPO法人SoELaが共同で、新宿区の生態系や環境課題をテーマにしたカードゲーム「マイアース新宿版」の制作プロジェクトを開始しました。これは、対戦型トレーディングカードゲーム「マイアース」を基にしたもので、地域の特性を生かしたオリジナル版の制作を目指しています。
「マイアース」の背景
「マイアース」は、2008年に慶應義塾大学の学生によって開発されたゲームで、プレイヤーは「地球温暖化チーム」と「生物多様性チーム」に分かれ、環境への影響を学びながら対戦を繰り広げます。このゲームは全国の自治体や学校と連携して地域版が制作されており、新宿版もその一環として位置付けられています。製造に関しては、クリアソン新宿が提携する大日本印刷株式会社が関与しています。
若者が主役の制作プロセス
このプロジェクトでは、主に高校生と大学生が制作の中心となります。成女高校の生物部の生徒たちが新宿区内で実際に生態系調査を行い、その結果をもとにカードをデザインしていきます。また、宝塚大学の学生はカードのデザインやイラストを担当し、若者たちが主体となって自分たちの住む街について学び、形にすることを目的としています。
さらに、このプロジェクトでは地区の関係者と協力し、特別カードを制作することも計画しています。これにより地域の団体や企業の環境貢献が紹介される予定です。完成したカードは、2025年内に新宿区の地域イベントで活用され、より多くの人々に環境への意識を育む教材として広く展開される予定です。
連携の芽生え
このプロジェクトの背後には、クリアソン新宿がDNPと法人パートナー契約を結んでいたことが大きく影響しています。この繋がりを通じて、宝塚大学、成女高等学校、新宿区との連携が深まり、官民一体の取り組みへと発展しました。クリアソン新宿はNPO法人SoELaとともにこのプロジェクトを進めていきます。
関係者のコメント
宝塚大学の学部長はこのプロジェクトについて、「高校生との共同作業が教育的な効果を生むと期待している」と語る一方で、成女高校の校長は自身の生物への理解がこの取り組みの背景にあることを説明しています。カルチュラルな視点から見ると、これまで多くの高校生、大学生がこのプロジェクトに参加することで、地域の環境意識が高まることが期待されます。
NPO法人SoELaの代表は、「東京の生態系をテーマにした取り組みは特に興味深い」と話し、多様な生態系の存在を子供たちに学ぶ機会が与えられることの重要性を強調しています。
新宿区の地域振興部長は、このような活動が新宿の人々に自然環境への関心を持たせる素晴らしい機会であるとし、「このプロジェクトが多くの人に環境保護の大切さを伝えることを願っています」と述べました。
未来への期待
「マイアース新宿版」は、カードゲームという楽しい形式を通じて、地域の自然環境や生態系への理解を深める大きな一歩となるでしょう。完成後には多くの地域イベントや教育の場で活用されることが期待されており、新宿区内での環境意識を高める役割を果たしていくことでしょう。今後の展開に注目です。