ビーインフォマティカの資金調達とその戦略
ビーインフォマティカ株式会社が、シードラウンドにおいて3,000万円の追加資金調達を行い、合計調達額が1億4,100万円に達したことを発表しました。本社を東京都渋谷区に置き、マレーシアのクアラルンプールに支社を持つ同社は、東南アジアの中小企業(SME)向けにデジタルファイナンスの革新を進めています。
資金調達の背景と目的
東南アジアでは、多くの中小企業が銀行融資サービスを利用できず、違法な金融サービスに巻き込まれるケースも増えています。これに対抗するため、ビーインフォマティカは、アーリーステージの企業に迅速かつ適切な融資判断を提供するための審査技術を強化する必要があります。今回の資金調達は、以下の戦略的目的に充てられます。
1. マイクロファイナンス貸付残高の拡大
今回調達した資金の一部は、マレーシアのSME向けに提供するマイクロファイナンスの貸付残高を8,000万円に拡大することに使われます。これにより、より多くの中小企業が支援を受けられる環境を整えます。
2. デジタルレンディングライセンスの取得
プログラムの一環として、地方政府開発省(KPKT省)からのデジタルレンディングライセンスを取得するためのシステム開発も加速します。これにより、規制に準拠したデジタル金融サービスを提供できるようになります。
3. AIを利用した融資システムの高度化
生成AIを活用し、キャッシュフロー分析や信用スコアリングを取り入れた効率的な審査体制を整えます。非金融データを基にした融資判断の精度向上が期待されています。
4. オペレーションチームの強化
事業の成長に対応するため、金融オペレーションおよびビジネス開発チームに新たなメンバーを加え、フルタイムのオペレーションメンバー2名を採用します。フィンテックへの理解が深いアドバイザーも迎え入れることを予定しています。
5. マーケティングプラットフォームの強化
安定したリード獲得を目指し、自社メディアや営業パートナーとの連携を強化する計画です。さらに、ローンマッチングプラットフォームとの提携も検討しています。
6. インボイスファイナンスのPoC・プロジェクト推進
企業のキャッシュフロー改善を支援する新しい金融手法として、インボイスファイナンスのモデル確立を進めます。
これまでの成果と今後の展望
資金調達が行われた2025年2月時点で、マイクロファイナンスの貸付残高は既に6,000万円に到達しました。また、累積の融資件数は134件、その中でも67件がアクティブ融資となっています。さらに、デジタルレンディングライセンス取得に向けたIT検査が完了し、インボイスファイナンスに関する提携パートナーも確定しました。
当社は引き続き、マレーシアの零細と中小企業における資金アクセスの向上に力を入れ、事業の拡大を目指してまいります。これらの取り組みを通じて、同地域の経済成長に寄与できることを期待しています。今回の成功により、さらなる成長が見込まれます。
お問い合わせ先
詳しい情報は、ビー・インフォマティカ株式会社の公式ウェブサイト(
https://jp.bee-informatica.com/)をご覧ください。