釜山国際映画祭で注目の作品『猫を放つ』
2020年度の「ndjc:若手映画作家育成プロジェクト」に参加した志萱大輔監督の初長編映画『猫を放つ』(英題:Leave the Cat Alone)が、先日閉幕した第30回釜山国際映画祭(BIFF)のコンペティション部門に選出され、ワールドプレミア上映を果たしました。
志萱監督の道のり
この映画は、志萱監督が2018年に自主制作映画として制作を開始し、実に7年間の歳月をかけて完成させた作品です。この作品は、釜山国際映画祭の記念すべき30周年を迎えた年に、新たに設立されたメイン・コンペティション部門に選出されたことが大きな意義を持っています。これにより、アジア映画の未来に光を当てる試みが評価されています。
志萱監督は、これが2度目の釜山映画祭選出となりますが、前回の短編作品『窓たち』に続き、彼の才能が再び注目を集めることとなりました。『猫を放つ』の公開は2026年を予定しており、すでに多くの期待が寄せられています。
ワールドプレミアの様子
釜山映画祭でのワールドプレミアは盛況で、多くの観客が詰めかけ、映画に対する熱い反応が会場全体を包んでいました。監督がコメントした通り、「映画に見られる場を与えていただけたこと」に感謝する一方で、長い制作過程を経たことで得られた信念が観客に伝わったことを実感したとのことです。
監督のメッセージ
志萱監督は自身の作品に対して、観客から寄せられた疑問や感想が自らの作品を再認識するきっかけとなったことを明かし、「新たな映画を作り上げる力を与えられた」と述べています。自国日本で、自身の言葉でこの映画を届けられることを楽しみにしていると強調しています。
あらすじとテーマ
『猫を放つ』は、「あなた今、幸せ?」という問いから始まります。主人公のモリは、妻で写真家のマイコとの距離が縮まらずに悩んでいます。ある日、旧友のアサコと再会したことで、彼らの過去の愛情や思い出に触れることになりますが、それらは互いの欲望や期待によって歪んでいきます。
この映画は、人々がどのように自分の過去を振り返り、現在と向き合うかを描いています。アサコの料理やマイコの写真が象徴的に描かれ、彼らはその中で自己のアイデンティティを見つけようともがく姿が浮かび上がります。
監督の成長と未来
志萱監督はこれまでに多くの映画祭で評価を受けてきましたが、『猫を放つ』は彼にとって初の長編作品です。映画製作における彼の熱意と探求心はこの作品にも色濃く反映されています。彼の今後の活動にも注目です。
映画『猫を放つ』がどのように日本国内に届けられるか、そして観客がどのように受け止めるのか、公開日を心待ちにしながら期待を寄せます。どうぞ皆さん、注目してください!
さらに知りたいこと
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