新社会人と先輩の給与理解を巡る意識調査
令和7年度、新社会人たちが初めて職場で迎える「ファーストペイデー(初任給の日)」を4月25日として迎える中、税理士の菅原由一氏が実施した意識調査の結果が示されました。この調査は新社会人132名と、社会人5年目以上の先輩150名を対象に行われ、多くの興味深い事実が把握されました。
調査の概要
調査は2025年に実施され、新社会人は18歳から24歳、先輩は22歳から30歳未満の男女が参加しました。新社会人の約7割が給与研修を受けた結果が確認され、これは企業が新入社員に対する教育に力を入れていることを示しています。
給与研修の受講率
新社会人132名の回答の中で69.7%が「給与研修を受けた」と答え、企業が労働者に対し、給与に関する基本的な知識を提供することが一般的であることが示されています。
一方、社会人経験のある先輩135名には、自身の給与明細をどの程度理解しているかを尋ねたところ、53.3%が「理解している」と回答しました。もう少し曖昧な「何となく理解している」との回答を含めると、実に約9割が何らかの理解を持っていることがわかりました。しかし、理解していないと答えた人も11.3%存在し、位置的には立場の割に意識の差が浮き彫りになりました。
知識の乖離
新社会人と先輩社会人に「給与について知っていることは何か?」という質問をしたところ、「基本給と手取りと額面の違い」が最多という結果に。ここでは新社会人の43.2%、先輩社会人では68.7%がこの知識を持つと回答しました。各種手当や税金に関する知識も挙がり、新人の不安や先輩の師匠としての自信の差が存在します。
ただし、驚きの声が聞かれる中で最も多かったのは「思っていたよりも手取りが少なかった」とする理由です。これは実際の給与明細を手にしたことで数値的な実体に気づいた結果で、給与に対するリアルな理解が求められます。
給与の内訳の深堀り
菅原氏によると、給与の内訳は非常に複雑です。「基本給」「額面」「手取り」などの用語の違いを知っておくことは重要です。基本給は固定給のことで、額面は総支給額を指します。そして手取りは、そこから税金や保険料が引かれた後の実際に振り込まれる金額です。
明細を見る際には、正しい控除計算や手取り額のチェック、支給日などに誤りがないかの確認が必須です。特に社会保険料は収入に基づいて決定され、残業時間や昇給も影響するため、その知識を持つことが将来的に役立つでしょう。
社会保険料の影響
実際、社会保険料は毎年の4月から6月の給与支給額で決まりますので、要注意な時期にもなります。この場合、昇給を春に実施することは、追加の社会保険料負担を生む結果となりかねません。春の忙しさに流されずに、給与の管理を行うことが求められます。6月以降の昇給は避けた方が賢明ですが、条件が整えば特例の利用が考えられます。
まとめ
新社会人にとって給与に関する知識は非常に重要なファクターです。適切な研修により、早い段階での知識習得が促進されています。しかし先輩たちにも、「理解しきれない」という現実が存在します。菅原氏のアドバイスを参考に、給与明細を正しく理解し、無理のない範囲で給与管理を行う必要があります。