加藤好弘著作集刊行記念イベント開催!
日本の戦後美術界に新風を吹き込んだ前衛芸術家、加藤好弘とその集団〈ゼロ次元〉の全貌に迫る『反万博の思想 加藤好弘著作集』が、今年5月に刊行されました。この書籍の刊行を記念して、全国各地で様々なイベントが行われます。加藤の作品を通じて、反万博の思想を再考する貴重な機会となっています。
大阪での反万博特集上映
刊行記念イベントの一環として、大阪では「反万博特集上映」が開催されます。万博が進行中のこの時期に重点的に行われるこの上映会では、加藤好弘自身が演出を手がけた映画『いなばの白うさぎ』(1970年)など、同時代の貴重な作品が上映されます。特に『いなばの白うさぎ』は、加藤にとっての集大成とも言える作品です。
イベントでは各プログラムの上映前後に、映画や現代美術、社会思想の専門家を招いたトークイベントも開催され、映画の内容やその背後にある思想などが深く掘り下げられます。
「反万博特集上映」概要
- - 日程:9月5日(金)~7日(日)
- - 会場:シネ・ヌーヴォ(大阪市)
- - 入場料:一般1900円、シニア1300円、学生1200円
- - タイムスケジュール:
- 9月5日(金):『いなばの白うさぎ』上映(前トークあり)
- 9月6日(土):3作品上映
- 9月7日(日):複数作品の一挙上映
東京での「前衛芸術と宗教からみた万博と反万博」展
続いて、10月には東京で「前衛芸術と宗教からみた万博と反万博」展が開催されます。この展示では、1960年代から70年代にかけての宗教団体と前衛芸術の運動が万博に対してどのような意義を持っていたのかを、資料を通して探ります。戦後日本の経済成長を象徴する万博に対し、反発する姿勢がどのように表現されていたのか、興味深い視点が提供されます。
- - 日程:9月30日(火)~10月11日(土)
- - 会場:和光大学附属梅根記念図書・情報館
- - 入場料:無料
名古屋でのシンポジウム「ゼロ次元と戦後名古屋の大衆文化を探る」
さらに、10月25日には名古屋でシンポジウム「ゼロ次元と戦後名古屋の大衆文化を探る」が行われます。このシンポジウムでは、加藤が中心となって形成された前衛芸術集団〈ゼロ次元〉と、その活動が名古屋の文化に与えた影響について議論されます。加藤好弘の活動をさまざまな視点から再評価する機会として、多数の専門家が集まります。
- - 日程:10月25日(土)
- - 会場:名古屋造形大学ホール
- - 入場料:無料
終わりに
加藤好弘の思想とその影響は、現代においてもなお色あせず、逆に再評価されています。彼の作品や思想を深く理解するためのこのイベント群にぜひ足を運んでみてください。万博を背景に、現代社会を考えるきっかけとなるはずです。