障害者雇用の現状と今後の展望ー企業の意識調査から見えるもの

障害者雇用の現状と今後の展望

近年、障害者雇用が社会の注目を集める中、パーソルダイバース株式会社が実施した調査によると、多くの企業が法定雇用率2.7%達成に向けた困難さを認識しつつも、採用拡大に意欲的な姿勢を示しています。調査対象は障害者採用担当者501名で、重要な指標を明らかにしました。

1. 法定雇用率の達成と企業の意欲

2026年7月に障害者の法定雇用率が2.7%に引き上げられることが期待されている中、52.6%の企業がこの達成が「困難」と回答しました。ですが、驚くことに75.8%の企業は採用の拡大に意欲を示しています。この結果から、企業が障害者採用拡大の重要性を認識していることが明らかとなりました。

2. 求められる人材の姿

調査によると、企業が求める障害者人材の志向は「安定・定着志向」が45.1%といった結果でした。対して「成長・活躍志向」を求める割合はわずか18.2%にしか上らず、企業と障害者の価値観に大きなギャップが存在することが浮き彫りとなっています。企業側は安定した働き手を求める一方で、成長を求める現場の障害者の意識はもっと高いことが示されました。

3. サポート体制の課題

採用後の成長や活躍のための支援が不足しているとの指摘もあり、企業としての体制づくりに課題が浮かび上がっています。採用プロセスをしっかり構築している企業が多い一方で、キャリアパスや成長支援制度の提示が十分に行われておらず、障害者の定着後の支援が不十分という実態が報告されています。

4. 今後の課題

調査結果からは、障害者雇用において「量の確保」だけでなく「質の向上」にも注力する必要があることが明示されました。企業は障害者が活躍できる環境を整備し、個々に合わせた支援やキャリアプランを提供できる体制を築くことが求められます。

5. パーソルダイバースの取り組み

パーソルダイバースでは、障害者の雇用を支援するために様々な取り組みを行っています。特に「dodaチャレンジ」を通じて、障害者が自らの適性に合った職場を見つける支援を行い、また企業側に向けても合理的な配慮を提供するためのコンサルティングを実施しています。もっと多様な価値観を取り入れた雇用環境を実現するために、障害者支援の質を向上させることが重要です。