スラリー技術の advance
2026-07-09 14:39:43

日本製紙と高知工科大学が連携!氷の詰まりを解消するスラリー技術

共同研究の背景



日本製紙株式会社と高知工科大学が共同で行った研究が、アイススラリー生成における技術的課題を解決しました。アイススラリーとは、微細な氷粒子が液体中に分散した液体であり、その冷却能力は高く、熱中症対策や食品保存の分野での利用が期待されています。しかし、これまでの装置開発段階では、氷粒子が互いに凝集してしまい、生成過程での流動性が低下し、吐出口が詰まってしまう問題がありました。この課題を克服するために、日本製紙は自身の提供するセルロースナノファイバー「セレンピア®」に着目しました。

セレンピア®の特性



「セレンピア®」は、木材由来の植物性食品添加物で、その特性は非常にユニークです。この多機能的なナノファイバーは、3次元ネットワーク構造を形成し、静止時においては粘度を保持し流動時には粘度が低下する、いわゆる「チキソトロピー性」を持っています。これにより、氷粒子の均一な分散が実現し、流動性の改善が可能となりました。

具体的には、セレンピア®の添加によって氷粒子が均一に分散され、凝集を防ぐ効果が得られました。さらに、なめらかな流動性を生むことで、吐出口での詰まりを解消し、アイススラリーの生成装置の効率を飛躍的に向上させることに成功しました。

安全性と実用性



本研究では、アイススラリーの生成技術に焦点を当てたにもかかわらず、使用する添加物が植物由来であるため、安全性も担保されています。すでに多くの食品に採用されている実績があり、消費者に安心感を与えるでしょう。これにより、アイススラリーはスポーツや食品の輸送、さらには水産業において、鮮度を保ったままロングディスタンスでの輸送が可能となります。

今後の展望



研究開発を進める日本製紙と高知工科大学は、これらの技術の社会実装を目指しています。冷却技術が進化すれば、スポーツ選手が暑い時期に安全に熱中症対策を講じるための飲料として、また、水産物の鮮度保持に貢献する冷却デバイスの普及が期待されます。これまで課題だった氷の詰まりを解消することで、業界全体の効率化が進むことが予想されます。

冬場は勿論のこと、夏場の熱中症対策としての適応が期待されるアイススラリー。今後も、その発展に注目が集まります。


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