島根県奥出雲と和歌山県有田・下津が世界農業遺産に認定！

島根県奥出雲と和歌山県有田・下津が世界農業遺産に認定される

令和7年8月26日、国際連合食糧農業機関（FAO）によって、島根県奥出雲地域と和歌山県有田・下津地域の2つの地域が新しく世界農業遺産に認定されました。このニュースは、地域の伝統的な農業システムと、持続可能性に対する国際的な評価を象徴するものです。これにより、日本国内の世界農業遺産認定地域は合計17地域となりました。

世界農業遺産とは

世界農業遺産は、特定の地域で代々受け継がれてきた独自の農林水産業と、それに関連する文化や景観、農業生物多様性が相互に結びついた重要な制度です。この制度を通じて、農業そのものだけでなく、それを取り囲む社会や環境の持つ重要性も認識されます。

島根県奥出雲地域の特色

島根県奥出雲地域は、「たたら製鉄を再適用した持続可能な水管理および農林畜産システム」が評価されました。この地域は500年以上にわたって、古来の製鉄法であるたたら製鉄用の砂鉄を採取するために、特有の採掘技術を用いて環境を整備してきました。

砂鉄の採取に伴い、山々の切り崩しや水路の導入が行われ、これを利用して棚田も再生されています。特筆すべきは、農耕に使用されていた和牛が肉用牛に転換され、その糞が堆肥として水田の土壌改良に活用されている点です。これにより、稲作と畜産が融和した多様な農業が伝統的に受け継がれています。

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和歌山県有田・下津地域の特色

一方、和歌山県有田・下津地域では、「石積み階段園みかんシステム」が、その持続可能な農業のモデルとして評価されました。この地域では約400年前から、傾斜地を活用した石積みの階段園が築かれており、歴史的な景観を今も形作っています。

この農法は、各土地の特性に応じた品種の選定や栽培技術が実施されており、また、苗木は地元で生産されています。これにより、質の高い温州みかんが生産され、地域経済に大きな貢献をしています。

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