和歌山県白浜町が挑む安全な未来
和歌山県白浜町では、南海トラフ地震などの災害に備えた迅速な情報通信インフラの強化に取り組んでいます。この町は、年間300万人以上の観光客が訪れる美しい海岸地区であり、町民の安全を確保することが急務となっています。そうした背景から、総務省の支援を受けて国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)が開発した、耐災害情報通信インフラ「NerveNet」が整備されました。
NerveNetの導入とその役割
「NerveNet」は、通信網が壊滅的な状況になった際でも安定的な通信環境を提供できることを目指しています。これにより、携帯電話などの通常の回線が途絶えた場合でも、衛星を通じて通信が可能となります。このインフラ整備は、町民の生活に大きな安心をもたらし、観光客にとっても便利な環境を整えるものです。
無料Wi-Fiサービス「Shirahama-Beach-Wi-Fi」の開始
「NerveNet」の運用に伴い、特に注目されるのが、無料のWi-Fiサービス「Shirahama-Beach-Wi-Fi」の導入です。このサービスは、白浜町の主要観光地や公共施設に設置され、平常時の利便性を高めるだけでなく、災害発生時にも通信環境を維持する役割を果たします。実際、令和7年3月1日からは全23箇所でこのサービスが利用可能となる予定です。
対象となるWi-Fiスポット
「Shirahama-Beach-Wi-Fi」が提供されるスポットは多岐に渡り、白良浜や千畳敷、アドベンチャーワールドの駐車場、南紀白浜空港など、観光や地域活動に密接に関連した場所が中心です。これにより訪問者は、観光地を巡る際に常にネットワーク接続が可能です。
安否確認機能など多様なサービス
また、Wi-Fiを通じて安否確認サービスも提供されるため、特に災害時には心強いサポートとなります。避難所においてもスムーズに情報が行き交い、住民や観光客が安心できる環境を整えることができます。このように、地域のデジタル基盤の強化は、住民や観光客双方にとって重要な意味を持ちます。
広報活動を通じた啓発
白浜町は、この新しいWi-Fiサービスの利用促進を図るため、2024年2月11日から13日の期間にかけて広報イベントを実施しました。これを通じて、住民や来町者にサービスの価値と利用方法を周知し、積極的な利用を促進しています。
今後の展望
今後も白浜町では、「NerveNet」を利用したデジタル社会に必要な各種サービスの構築を目指しています。観光地としての魅力を発揮しつつ、地域住民が安心して暮らせる環境を整え続けるために、行政としての努力を惜しまない所存です。エンターテインメントだけでなく、災害に対する備えも万全な白浜町は、今後ますます多くの訪問者を迎え入れることでしょう。