丸紅、伊那市に大規模蓄電所を竣工
長野県伊那市に建設された大規模蓄電所「三峰川伊那蓄電所」が竣工し、2024年10月より運転を開始しました。本プロジェクトは、丸紅株式会社が中心となり、丸紅新電力株式会社が運用を担当します。
再生可能エネルギーと電力安定供給
近年、再生可能エネルギーの導入が加速していますが、太陽光や風力発電は気象条件に左右されるため、電力供給の安定性に課題がありました。この課題を解決するため、三峰川伊那蓄電所は、再生可能エネルギーの発電量の変動を吸収し、電力系統の安定化に貢献します。2MWの定格出力と8MWhの定格容量を誇る本蓄電所は、電力需給バランスの調整に大きな役割を果たすと期待されています。
丸紅新電力の役割
丸紅新電力は、蓄電所の最適運用を行い、創出された調整力を卸電力市場、需給調整市場、容量市場といった様々な電力市場に供給します。これにより、電力の安定供給に貢献するとともに、電力市場における新たなビジネスモデルを構築していくことが期待されます。また、同社は独自開発の系統用蓄電池の最適運用アルゴリズムを本蓄電所の運用に活用することで、効率的な運用を目指します。
環境への取り組み
丸紅グループは、2050年カーボンニュートラル社会の実現に向け、積極的に再生可能エネルギー事業に取り組んでいます。2021年に策定した気候変動長期ビジョンと中期経営戦略「GC2024」では、グリーン戦略を企業価値向上のための基本方針の一つとして位置付けており、本蓄電所の建設・運用もその一環です。今後、同様の蓄電事業を拡大することで、環境問題への貢献をさらに強化していく方針です。
三峰川伊那蓄電所の概要
名称: 三峰川伊那蓄電所
設置場所: 長野県伊那市
定格出力: 2MW
定格容量: 8MWh
メーカー/電池種類: 株式会社パワーエックス製/リチウムイオン電池
EPC: ニシム電子工業株式会社
まとめ
三峰川伊那蓄電所の竣工は、再生可能エネルギーの普及と電力安定供給の両面において重要な一歩です。丸紅グループの積極的な取り組みは、日本のエネルギー政策における大きな進展を示しており、今後の展開に注目が集まります。