建設業界の未来を切り拓く新たなロボットシステムの研究開発開始
建設業界の革新に向けた新たな挑戦
近年、建設業界では労働力不足が深刻な問題として浮上しています。特に技能労働者の高齢化や新規入職者の減少が影響し、現場の効率的な運営が求められています。そんな中、竹中工務店、鹿島建設、大林組、フジタの四社が、建設RXコンソーシアムの一環として共同で、ソフトウェアの標準化技術を活用した建設ロボットシステムの研究開発に取り組むことを発表しました。
労働力不足の現状
建設業界は長年にわたり労働力の確保に苦しんでいます。日本全体で高齢化が進行する中、若年層の建設業参入が進まないため、技能労働者が不足しています。これにより、工事の進捗が遅れ、コストの上昇を引き起こす要因ともなっています。
標準化技術の意義
これまでの建設ロボット開発は、特定の用途に特化したシステムがほとんどであり、他のロボットに転用できないため、汎用性が限られていました。新たに進められる研究開発では、標準化されたモジュールを活用し、さまざまなロボットに共通して使える技術の創出を目指します。これにより、建設業界全体での効率的なロボット利用が期待されています。
具体的な研究開発内容
四社は以下の四つのロボットシステムの研究開発を進めています:
1. 資材自動搬送ロボット(竹中工務店):変化する建設現場環境に適応した高精度自律走行技術の開発。
2. 風量測定ロボット(鹿島建設):BIM(ビルディングインフォメーションモデリング)と連携した自律走行型の検査と帳票作成技術を実現。
3. 耐火被覆吹付けロボット(大林組):環境を認識し、吹付け作業の計画を修正する技術の開発。
4. 汎用移動ロボットの多機能化技術(フジタ):移動ロボットの多機能利用を促進する作業アタッチメントの開発。
これらの研究開発によって、各ロボットシステムはより高い効率性を持ち、建設現場での作業が大幅にスムーズになることが期待されています。
今後の見通し
この研究開発を通じて、ロボットシステムの開発と運用にかかるコストの削減を目指します。また、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)との連携により、さらなる性能向上を図ります。将来的には、開発した汎用的なSIモジュールを他のサービス分野にも展開し、日本のロボティクス産業の国際競争力を強化することを視野に入れています。
まとめ
建設業界の労働力不足に対応するためのロボットシステム開発は、今後の建築現場における働き方を大きく変える可能性があります。四社の共同提案体が導入する標準化技術が、どのように建設業界の未来を形成していくのか、今後の進展に大いに期待が寄せられます。
会社情報
- 会社名
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株式会社大林組
- 住所
- 東京都港区港南2-15-2品川インターシティB棟
- 電話番号
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