株式会社総本家新之助貝新の挑戦
創業から400年の歴史を持つ高級佃煮メーカーである株式会社総本家新之助貝新(所在地:三重県桑名市)が、国産アサリの漁獲量減少という厳しい現実に直面しています。この数十年、海産物の価格は高騰し、とりわけ国産アサリの漁獲量は2016年以降、1万トンを下回り、時には2011年から2020年にかけて漁獲量が約1/7に減少するなど苦境に立たされています。
しかし、新之助貝新はその伝統を守りながら新たな挑戦を開始しました。ビジネスの好転を目指し、これまでの製品をベースにした新商品の開発と、シンガポール向けのECサイトの開設を実施しています。これにより、世界市場にも乗り出す姿勢を見せています。
24年ぶりの新商品発売
この度、2023年2月24日に発売される新商品のテーマは「酒トモ」。これはお酒のつまみとしての佃煮の使い方を提案するもので、「志ぐれ ゆずとあさりオリーブオイル漬け」など7種類がラインナップに加わります。ただの佃煮ではなく、さまざまなシーンで活用できる商品として開発されました。
特に、人気商品である「志ぐれ あさり」の味わいを活かし、ゆずやもろみを使った新商品は、それ自体が一つの料理として楽しめるものです。さらに、「志ぐれ辛味噌」などは、食材を選ばず幅広い料理に使える万能調味料です。
伝統を守りつつ新たな市場へ
「志ぐれ煮」としての魅力を維持しつつ、新しい方向性を模索している新之助貝新。これまでの伝統的な製法を踏襲する中で、若い世代や外国人観光客にも受け入れられるようなプロダクトを意識しています。特に、飲食の多様なシーンにおいて提案できる商品であることを重視しており、パーティーやギフトなどの場面でも活躍できるよう工夫が凝らされています。
サラダや冷奴、さらにはパンのお供としても楽しめるなど、幅広いアレンジができることが特徴です。公式サイトでは、この新商品を使ったレシピも公開されており、ユーザーにはアイディア次第で多様に楽しんでもらえるような工夫がなされています。
グローバル展開の道
新之助貝新は、新商品の販売を皮切りに海外展開にも意欲的です。ECサイトを通じてシンガポール市場にアプローチしており、アフターコロナ時代において日本の佃煮を広めたいと考えています。シンガポールは、アジアの経済の中心に位置し、多国籍な文化を持つ国であるため、日本の伝統食品に対する需要が見込めるマーケットです。
さらに、HPやコーポレートアイデンティティ(CI)のリニューアルも合わせて実施し、長い歴史を持つブランドの再生を目指しています。これにより、新之助貝新の名前がより多くの消費者に届くことが期待されています。
社長からのメッセージ
同社の社長である水谷新平氏は、「400年の歴史を守りつつ、新たな挑戦を通じて伝統を発展させていく」と強調しています。この思いが込められた新商品を、幅広い人々に試してもらえる日を楽しみにしています。
新之助貝新は、今後も高品質な佃煮を提供し続けるとともに、日本の味を世界に広めるための取り組みを続けていくでしょう。
公式サイトの情報は、
こちら から確認できます。