現代思想の巨星ジル・ドゥルーズの新刊『講義録絵画について』が登場
2025年11月19日、株式会社河出書房新社からジル・ドゥルーズの『講義録絵画について』が発売される。フランスの哲学者として名高いドゥルーズが絵画をテーマに整えた講義を、彼の晩年の愛弟子ダヴィッド・ラプジャードが編集したもので、より深い思想の導入となる。これを記念して、絵画論には欠かせない作品に触れる機会をもたらす。
この書籍には、セザンヌ、ファン・ゴッホ、ミケランジェロなど、様々な画家たちについての考察が盛り込まれており、ドゥルーズ独自の哲学的視点からの解釈が展開される。彼は「カタストロフ」や「変調」といった新しい哲学概念で、絵画の進化を斬新な形で捉え直し、私たちの芸術に対する理解を深めてくれる。
絵画を通じて何を伝えたか?
本書では、ドゥルーズが論じた絵画の力や意義が明らかになる。例えば、ターナーの作品を通じては、描くことの背景にあるカタストロフの本質を探り、ファン・ゴッホを通じては中間色の重要性やその重さについて語る。彼の言葉を通じて、描く行為そのものが持つ創造的な意味が強調され、今までとは異なる視点を私たちに提供する。
講義録ならではの新たな経験
ジル・ドゥルーズの講義は、哲学への新しいアプローチをもたらすもので、特に美術史や現代思想に興味がある読者にとって、新鮮な読書体験となる。彼の理論は、抽象的なものを扱いながらも具体的な実例を通じて、読み手に強烈な印象を与える。この講義録では、著作だけではなく、実際の講義がフォーカスされており、よりダイレクトに彼の思想が味わえる。
入門者にも推奨
ドゥルーズの著作は難解な印象を与えがちだが、本書はその入門にも最適である。既読者には新たな視点を、初めて触れる人には初めの一歩としても申し分ない内容だ。言葉巧みに絵画を捉えたドゥルーズの思想に触れる基盤が用意されており、美術愛好家にとっても必読の作品となっている。
発売前の期待
また、これはドゥルーズ生誕100年を記念した出版であり、彼の思想が再評価される機会でもある。音声や文書の残された講義の記録が編纂され、本書はその第一弾となる。今後の講義録シリーズも期待が高まる中、この新刊を手に取る価値は大いにあるだろう。
これから継続的に彼の思想を学び、考察する機会となる本書は、まさに現代の哲学的なリーダビリティを示唆している。美術展と共に、ドゥルーズの思考の旅に出る準備をしよう。
書籍情報
- - 書名:ジル・ドゥルーズ講義録絵画について
- - 著者:ジル・ドゥルーズ
- - 編者:ダヴィッド・ラプジャード
- - 訳者:宇野邦一
- - 発売日:2025年11月19日
- - 定価:4180円
- - ISBN:978-4-309-22979-9
詳細は
こちらをご確認ください。