2025年の人材獲得トレンドに迫る
グローバルな組織コンサルティングファーム、コーン・フェリーが最新のレポート「タレント・トレンド2025」を発表しました。このレポートは、2025年に予想される人材獲得の動向を詳細に分析し、企業が直面する課題や戦略を提案しています。
調査手法と背景
このレポートは、北米、中南米、欧州・中近東、アジア太平洋地域で約400人の人材プロフェッショナルを対象に実施されたアンケート調査と、コーン・フェリーのコンサルタント40名の知見を元にして構成されています。その結果、以下の5つのトレンドが浮かび上がりました。
1. AIの導入とその影響
最近、多くの企業が人材採用プロセスに人工知能(AI)を利用し始めました。しかし、期待された即効性は得られず、参加者の67%が2025年にはAIが重要な役割を果たすと考える一方で、40%は過度な導入が非人間的なプロセスにつながる可能性を懸念しています。これは、バランスの取れたアプローチが必要だということを示唆しています。
2. クリティカル・スキルへの注目
アメリカでは、「スキルベース採用」が注目を集めていますが、多くの企業はこの手法の価値を理解し切れていないのが現状です。回答者の39%がその価値を認める一方で、実際にスキルベース採用に移行する企業は17%にとどまっています。重要なスキルの定義策定が急務と言えるでしょう。
3. L&D施策の見直し
従業員の67%が、機会を提供してくれる企業には留まりたいと考えていますが、キャリアパスを提供している企業は30%に過ぎません。能力開発(L&D)施策の強化が必要で、学習が第一とされる企業文化の構築が求められています。
4. EVPの重要性
企業が従業員を引きつけるためには、有言実行が不可欠です。EVP(従業員価値提案)は、実際に企業文化に根ざしたものとして示されなければ、新入社員が失望する結果となります。地域や世代に応じたEVPのカスタマイズも今後の課題と言えるでしょう。
5. ハイブリッド・ワーキングの普及
76%の回答者が、自社の勤務形態がハイブリッドであると述べています。しかし、これは単なる勤務場所の問題ではなく、フレキシビリティや福利厚生の個別化も含まれます。34%がこのトレンドを2025年のトップトレンドと見なしており、今後の働き方に新たな基準を設ける可能性があります。
結論
企業は、テクノロジーと人間性のバランスを保ちながら、データに基づいた意思決定を行い、個別化を推進する必要があります。そうすることで、優秀な人材を引きつけるだけでなく、持続可能なビジネス成果を生み出すことができるとコーン・フェリーのCEOは述べています。2025年の人材獲得に向けて、今からの準備が重要です。
詳しい内容は、「タレント・トレンド2025」レポートからご確認ください:
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